クラフ(読み)くらふ(英語表記)Arthur Hugh Clough

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラフ」の意味・わかりやすい解説

クラフ
Clough, Arthur Hugh

[生]1819.1.1. リバプール
[没]1861.11.13. フィレンツェ
イギリス詩人。ラグビー校で校長 T.アーノルドの強い影響を受け,その子で後年詩人となったマシューと親交を結んだ。後者の名作『サーシス』はクラフ追悼の詩である。 1852年にはエマソンの招待に応じて,アメリカに渡った。恋愛物語詩『トーバー・ナ・ブオリックの小屋』 The Bothie of Tober-na-Vuolich (1848) や,宗教的懐疑を歌った『苦闘を無益だというな』 Say not,the Struggle Nought Availeth (49) ほかの抒情詩で記憶されている。

クラフ
Clough, Anne Jemima

[生]1820.1.20. リバプール
[没]1892.2.27. ケンブリッジ
イギリスの女子高等教育の推進者。ケンブリッジのニューナム・カレッジの初代校長。詩人アーサーの弟。女子高等教育運動の支持者として H.シジュウィックらと活躍。北イギリス女子高等教育振興評議会の設立に貢献し,書記 (1867~70) と会長 (73~74) をつとめた。 1871年,ケンブリッジ大学の女子学寮設立の際寮長に推され,その成功と発展に従って 75年ニューナム・ホール,75年ニューナム・カレッジが設立され,その都度初代の長に就任した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラフ」の意味・わかりやすい解説

クラフ
くらふ
Arthur Hugh Clough
(1819―1861)

イギリスの詩人。オックスフォード大学研究員のころ神学論争に巻き込まれ、初めニューマンに傾倒したが、のち懐疑主義を標榜(ひょうぼう)し、職を去った。『旅上の恋』(1849)は韻文形式の小説で、近代的技法が駆使されている。『ディサイカス(二つの魂)』(1850)は知識人意識矛盾をついて評価を得た。

[早乙女忠]

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