コバルト・リッチ・クラスト(読み)こばるとりっちくらすと(英語表記)cobalt rich crust

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

コバルト・リッチ・クラスト
こばるとりっちくらすと
cobalt rich crust

海山に張り付いた皮殻(クラスト)状の海底鉱物資源陸上コバルト鉱石の5倍以上のコバルトを含むほかニッケルなどの有用希少金属も含有するため近未来の鉱物資源として注目を集めている。日本でも200海里経済水域内での存在が確認されているほか、石油天然ガス・金属鉱物資源機構等が西太平洋での探査を行っている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

コバルトリッチクラスト
cobalt-rich crust

マンガンクラストのうち,特にコバルトに富んだものをいう。コバルトリッチクラスト水深 800~2000mの比較的浅い海山の頂上から斜面岩盤を数 mmから数 cmの厚さで広く被覆している。基本的には水深 4000~6000mの深海産マンガンノジュールと同じく,二酸化マンガン水酸化鉄主体とする海水からの化学的沈殿物一種である。コバルトの含有量がより多く,コバルト 0.9%,ニッケル 0.5%,マンガン 25%程度を含む。小笠原諸島,南鳥島,ハワイ諸島,ミッドウェー島,ウェーク島沖に有望な鉱床の存在が報告されている。

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