コバルトリッチクラスト(その他表記)cobalt rich crust

デジタル大辞泉 「コバルトリッチクラスト」の意味・読み・例文・類語

コバルトリッチ‐クラスト(cobalt rich crust)

《crustは、固い外皮地殻の意》深海底鉱物資源の一。海底の基盤岩を覆うアスファルト状の酸化物であり、厚さは数ミリから十数センチメートル。水深800~2400メートルの海山海台分布マンガンニッケルコバルトなどの有用金属を含有する。マンガンクラスト一種であり、コバルトの含有量が1パーセントを超えるものをさす。コバルトクラスト

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コバルトリッチクラスト」の意味・わかりやすい解説

コバルト・リッチ・クラスト
こばるとりっちくらすと
cobalt rich crust

海山に張り付いた皮殻(クラスト)状の海底鉱物資源陸上のコバルト鉱石の5倍以上のコバルトを含むほかニッケルなどの有用希少金属も含有するため近未来の鉱物資源として注目を集めている。日本でも200海里経済水域内での存在が確認されているほか、石油天然ガス・金属鉱物資源機構等が西太平洋での探査を行っている。

[編集部]

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百科事典マイペディア 「コバルトリッチクラスト」の意味・わかりやすい解説

コバルト・リッチ・クラスト

マンガン団塊うちコバルトを0.5%以上含むもの。水深約800mから2000m程度の海山などの斜面に,数mmから10cm程度の厚さの,薄い外皮(クラスト)状に張り付いている。主成分は鉄の酸化物とマンガンだが,平均して0.9%のコバルトを含む。日本では,1987年から金属鉱業事業団通産省委託受け中部・西部太平洋で鉱床探査を行っている。→海洋開発

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知恵蔵mini 「コバルトリッチクラスト」の解説

コバルトリッチクラスト

深海底に存在する鉄・マンガン酸化物のうち、コバルトなどのレアメタル(希少金属)を豊富に含むもの。コバルトは、強固で腐蝕に強いコバルト合金や様々なコバルト化合物などとして用いられ、1970年代より原油・天然ガスに次ぐ「第三の深海底鉱物資源」として調査が開始された。近年では、主に水深800~2400メートルの古い基盤をもつ海山の山頂や斜面(特に北西太平洋)に広く分布していることがわかっている。2016年2月には、東京・南鳥島付近の水深5500メートル以上の海底にコバルトリッチクラストが広がっていることが確認された。3000メートル以上の深海で確認されたのは初めて。

(2016-2-12)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コバルトリッチクラスト」の意味・わかりやすい解説

コバルトリッチクラスト
cobalt-rich crust

マンガンクラストのうち,特にコバルトに富んだものをいう。コバルトリッチクラストは水深 800~2000mの比較的浅い海山の頂上から斜面の岩盤を数 mmから数 cmの厚さで広く被覆している。基本的には水深 4000~6000mの深海産マンガンノジュールと同じく,二酸化マンガンと水酸化鉄を主体とする海水からの化学的沈殿物の一種である。コバルトの含有量がより多く,コバルト 0.9%,ニッケル 0.5%,マンガン 25%程度を含む。小笠原諸島,南鳥島,ハワイ諸島,ミッドウェー島,ウェーク島沖に有望な鉱床の存在が報告されている。

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