シンナミルアルコール(読み)しんなみるあるこーるでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンナミルアルコール」の意味・わかりやすい解説

シンナミルアルコール(データノート)
しんなみるあるこーるでーたのーと

シンナミルアルコール

 分子式 C9H10O
 分子量 134.2
 融点  34.4~34.6℃
 沸点  257.7℃
 比重  1.0338(水15℃,測定温度35℃)
 屈折率 (n) 1.5819


シンナミルアルコール
しんなみるあるこーる
cinnamyl alcohol

芳香族不飽和アルコールの一つ。γ(ガンマ)-フェニルアリルアルコール、桂皮(けいひ)アルコール、シンナミックアルコールともいう。天然には遊離の状態では存在しないが、エステルとしてカシア油バルサム成分となっている。桂皮アルデヒドシンナムアルデヒド)の還元により得られる。ヒヤシンスに似た香りをもつ白色結晶で、エタノールエチルアルコール)などの有機溶媒によく溶けるので香料として用いられる。

[徳丸克己]

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化学辞典 第2版 「シンナミルアルコール」の解説

シンナミルアルコール
シンナミルアルコール
cinnamyl alcohol

3-phenyl-2-propen-1-ol.C9H10O(134.18).trans-C6H5CH=CHCH2OH.ケイ皮アルコールともいう.天然には,エステルの形で月桂樹バルサムなどに含まれている.これらをアルカリけん化し,有機溶媒で抽出するか,シンナムアルデヒドを還元すると得られる.ヒヤシンス様の香りをもつ結晶.融点33 ℃,沸点258 ℃.エタノールに易溶.香料の調合あるいは保留剤として用いられる.LD50 2000 mg/kg(ラット,経口).[CAS 105-54-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シンナミルアルコール」の意味・わかりやすい解説

シンナミルアルコール
cinnamyl alcohol

化学式 C6H5-CH=CH-COOH 。ケイ皮アルコールともいう。エステルとしてカッシア油,蘇合香,バルサムなどに存在する。ヒアシンス様の香気をもつ白色針状晶。融点 33℃,沸点 257.5℃。花精油香料の調合および保留剤として利用される。

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世界大百科事典(旧版)内のシンナミルアルコールの言及

【ケイ皮アルコール(桂皮アルコール)】より

芳香族不飽和アルコールの一つで,シンナミルアルコールcinnamyl alcoholともいう。融点34.4~34.6℃,沸点257.5℃。…

※「シンナミルアルコール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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