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長崎県平戸(ひらど)市に伝わる念仏踊り。月遅れ盆の8月18日に、平戸島の平戸、中野、中津良(なかつら)など各地の神社、寺、学校の庭などで踊られる。平戸藩主松浦(まつら)家の厚遇もあって、古くから祖霊慰撫(いぶ)と五穀豊穣(ほうじょう)の祈願を込めて踊られてきた。この呼称は鉦(かね)と太鼓の音を模したものという。踊りは、まず笛・鉦・太鼓の道囃子(ばやし)で練行し、踊り場を一周したのち、中踊り、側(がわ)踊り、棒踊りなどが展開される。数流の幟(のぼり)を立て、踊り子は着流しで菅笠(すげがさ)をかぶり、笠の上には五色の幣(ぬさ)や造花を立て、笠の縁には木綿の幕をかけて顔を隠す。胸につけた太鼓を両手の桴(ばち)で打ちつつ踊るが、ほかに笛と鉦の役がはやす。
福島県いわき市でも、じゃんがら念仏を月遅れ盆の8月14~16日に行っているが、こちらは主として新盆の家を巡って踊る。2~3名の太鼓打ちを中にして、鉦を手にした踊り手十数名が円陣をつくって踊る。
[萩原秀三郎]
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