民俗芸能。おもに豊年予祝,収穫感謝のための踊りで全国各地に分布する。春から夏にかけての豊年予祝には,田遊(たあそび),田植踊,獅子舞,棒踊,雨乞踊など各種の芸能が演じられる。盆踊の〈今年や豊年,穂に穂が咲いて,道の小草に金がなる〉などの歌や踊りにも豊年予祝の意味がこめられている。収穫感謝の踊りは氏神の秋祭などに行われ,風流(ふりゆう)系のものが多い。関東地方には豊年満作を意味する万作踊があり,鹿児島県南九州市の旧川辺町勝目上山田の〈上山田太鼓踊〉や宮崎県小林市細野一区の〈輪太鼓踊〉は収穫感謝の豊年踊である。鹿児島県の薩南諸島や沖縄諸島にも,八月踊と称する収穫感謝の踊りがある。
執筆者:西角井 正大
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
日本民謡の分類上、祝い唄(うた)のなかの一種目で、イネの豊作を願って田の神に奉納する踊り唄の総称。豊年踊りは8月中旬のイネの開花時期と10月下旬から11月にかけての収穫後の時期に行われる場合が多い。開花期は、収穫に直接関係するたいせつな時期で、ここで風が吹いたりして穂先がこすれると減収になる。そこでこの時期を無事に過ごしたいと願う農民が、田の神にもう一度豊作祈願をし直した。その方法は、豊作の喜びを田の神にみせることで一種の暗示にかけ、神の力を借り出すことであった。「揃(そろ)た揃たよ踊り子が揃た 秋の出穂よりよく揃た」とか「今年ゃ豊年だよ穂に穂が咲いて 道の小草に米がなる」の歌詞などはそれである。また収穫後のものは、豊作を感謝してのものである。ところが8月中旬のものは、旧暦7月15、16日の死者や先祖の供養をする盆踊りの時期と重なるため、初めは区別していたものと思われるが、しだいに混同され、いつか盆踊り唄のなかに吸収されてしまった。先の歌詞で歌う盆踊り唄や「豊年踊」という曲名の盆踊り唄はその名残(なごり)である。
[竹内 勉]
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