そよ(読み)ソヨ

デジタル大辞泉 「そよ」の意味・読み・例文・類語

そよ[副]

[副]風がかすかに吹くさま。また、物が揺れてたてるかすかな音などを表す語。「風がそよとも吹かない」
「負ひ征箭そやの―と鳴るまで」〈・四三九八〉
[類語]ひゅうびゅうぴゅうひゅっとびゅんびゅんひゅうひゅうびゅうびゅうぴゅうぴゅうそよそよさわさわざわざわさやさやさらさらはたはたばたばた

そ‐よ[感]

[感]ふと思い出したときや、あいづちを打つときなどに用いる語。そうだ。そうそう。それそれ。→そよや
御前にこそわりなくおぼさるらめと言へば、―、などかうはとて」〈夕顔

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「そよ」の意味・読み・例文・類語

そよ

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる ) しずかに風の吹く音、また、物が触れあってたてるかすかな音などを表わす語。
    1. [初出の実例]「さ夜更けて妹を思ひ出でしきたへの枕も衣世(ソヨ)に歎きつるかも」(出典万葉集(8C後)一二・二八八五)
    2. 「やがて出づるに、後にそよと鳴りて、人の気色、足音す」(出典:古本説話集(1130頃か)六八)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 風のことをいう山ことば。〔随筆北越雪譜(1836‐42)〕

そ‐よ

  1. 〘 感動詞 〙
  2. ふと思い出したり相づちをうったりするときにいう語。それそれ。それよ。
    1. [初出の実例]「そよ、それにつけてもの思はせ奉りけんを思ふに、いと苦しうなむ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
  3. 歌謡のはやしことば。
    1. [初出の実例]「小車錦の 紐解かむ 宵入を忍ばせ夫 よやな 我忍ばせ子 我忍ばせ 曾与(ソヨ)」(出典:風俗歌(9C前‐11C中か)小車)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android