タナラ族(読み)タナラぞく(英語表記)Tanala

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タナラ族」の意味・わかりやすい解説

タナラ族
タナラぞく
Tanala

マダガスカル島に住む一民族。1世紀初め頃までに,オーストロネシア語を話すインドネシア諸族が海を渡ってアフリカ東部,特にマダガスカル島に達したことは形質,言語,文化の面からみて,確実である。言語はインドネシア諸語に属するマラガシー語を話す。中央部の高原地帯のタナラ森林に住み,移動しながら焼畑陸稲を栽培し,村をつくっていた。親族関係は従来は父系制であるとされたが,最近では,元来は父系的傾きがある双系制であるという説が唱えられている。宗教祖先崇拝を中心とし入念な葬式を行う。 18世紀頃に隣のベチレオ族から水田耕作を学び,水田の私有化,家族の単位化,定住化の傾向が増した。 (→マラガシー人 )  

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android