で(読み)デ

デジタル大辞泉 「で」の意味・読み・例文・類語

で[格助・接助]

[格助]《格助詞「にて」の音変化》名詞、名詞的な語に付く。
1 動作・作用の行われる場所・場面を表す。「家で勉強する」「委員会で可決する」「試験で合格点を取る」
「やまきの館たち―夜討ちに討ち候ひぬ」〈平家・五〉
2 動作・作用の行われる時を表す。「二〇歳で結婚する」
「十三―元服仕り候ふまでは」〈平家・七〉
3 動作・作用を行う主体となる組織・団体を表す。「政府側で検討中だ」「気象庁で光化学スモッグ警報を発令した」
4 期限・限度・基準を表す。「一日で仕上げる」「五つで二〇〇円」
「三百騎ばかり―喚をめいて駆く」〈平家・七〉
5 動作・作用の行われる状態を表す。「みんなで研究する」「笑顔であいさつする」
「盗人なる心―、否え、主、かく口きよくな言ひそ」〈今昔・二八・三一〉
6 動作・作用の手段・方法・材料などを表す。…を使って。「電話で連絡する」「テレビで知ったニュース」「紙で作った飛行機」
「この御馬―宇治河のまっさき渡し候ふべし」〈平家・九〉
7 動作・作用の原因・理由を表す。「受験勉強で暇がない」「君のおかげで助かった」
「その御心―こそかかる御目にもあはせ給へ」〈平家・二〉
[接助]《7から。近世語》活用語の終止形に付く。原因・理由を表す。
「おれが居て、あちこちから算段してやる―通られるが」〈滑・浮世床・初〉

で[接助・終助]

《助詞「て」が、ガ・ナ・バ・マ行の五段活用動詞の連用形の音便形に付く場合の形》
[接助]「て[接助]」に同じ。「泳いで渡る」「飛んで火に入る夏の虫」
[終助]「て[終助]」に同じ。「もっとよく噛かんで」「きちんとたたんでね」

で[接助]

[接助]活用語の未然形に付く。上の事柄を打ち消して下に続ける。…ないで。…ずに。→いで
「無期むごにえ渡ら―、つくづくと見るに」〈更級〉
[補説]打消しの助動詞の古い連用形「に」に接続動詞「て」の付いた「にて」の音変化とも、打消しの助動詞「ず」の連用形「ず」に接続助詞「て」の付いた「ずて」の音変化ともいう。中古以降用いられる。

で[接]

[接]
1 前の話を受けて、次の話を引き出す。それで。「で、今どこにいますか」「で、どうしました」
2 そういうわけで。それで。「探したが見つからない。で、新しいのを買った」

で[助動]

[助動]《断定の助動詞「だ」の連用形》⇒だ[助動]

で[五十音]

「て」の濁音。歯茎の有声破裂子音[d]と母音[e]とからなる音節。[de]

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「で」の意味・読み・例文・類語

で

  1. [ 1 ] 〘 格助詞 〙 ( 格助詞「に」に「て」が付いて変化したもの ) 平安時代中期に早く用例が現われ、末期以降盛んに用いられた。
    1. ① 場所・時間を示す。
      1. [初出の実例]「右大臣宣命、以二右手一、此院では用レ左」(出典:御堂関白記‐寛仁元年(1017)正月七日)
      2. 「銀子はあとで渡さう」(出典:歌舞伎・仏母摩耶山開帳(1693)一)
    2. ② 手段・方法・材料等を示す。
      1. [初出の実例]「ある女の許より色々の錦を紙でふじて、かく書きておこせたり」(出典:輔親集(1038頃))
      2. 「これまでのがれくるは、汝と一所で死なんとおもふため也」(出典:平家物語(13C前)九)
    3. ③ 理由・根拠を示す。
      1. [初出の実例]「奏聞しけれども、御遊の折節で聞こし召しも入れられず」(出典:平家物語(13C前)五)
      2. 「顔見せで忙しいに、何の用で来た」(出典:歌舞伎・京雛形(1699)一)
    4. ④ 主格助詞によらないで、動作・状態の主体を示す。
      1. [初出の実例]「今におゐらんでお出なんす」(出典:洒落本・遊子方言(1770)更の体)
      2. 「そっちでほれても、こっちでいやだ」(出典:洒落本・一事千金(1778)二)
  2. [ 2 ] 〘 接続助詞 〙
    1. [ 一 ] ( 打消の助動詞の古い連用形「に」に接続助詞「て」の付いた「にて」が変化したもの ) …ないで。
      1. [初出の実例]「え起きあがり給はで、船そこにふし給へり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
      2. 「あひ思はで離れぬる人をとどめかねわが身は今ぞ消えはてぬめる」(出典:伊勢物語(10C前)二四)
    2. [ 二 ] ( [ 一 ]③の用法から転じたもの ) 原因・理由を表わす。…ので。近世に現われる。→語誌。
      1. [初出の実例]「お暇が出たで去にまする」(出典:浄瑠璃・心中二つ腹帯(1722)三)
  3. [ 3 ] 〘 終助詞 〙 自分の発言内容を聞き手におしつける気持を表わす上方語。「ぜ」の変化したものといわれる。明治以後次第に優勢となり現在は「ぜ」を駆逐している。対等の間柄で用いるぞんざいな語。
    1. [初出の実例]「お梅ドン此あとを早く掃除せんとあぶないで」(出典:大内旅宿(1907)〈高浜虚子〉)

での語誌

格助詞「にて」の約音により格助詞「で」が発生したが、その種々の用法のうち、原因・理由を表わす場合、「で」の前の体言が省略されて活用語連体形を直接受けるようになって[ 二 ][ 二 ]が生じた。この連体形接続は江戸時代に行なわれたが、後にはふたたび別の形式名詞「の」を省略位置に復活させた「ので」が現われ、これに取って代られた。


で

  1. 〘 接続詞 〙 ( 「そこで」「それで」などの「そこ」「それ」が略され、助詞「で」が自立語化したもの )
  2. ① 前の事柄を受け、その結果、あとの事柄が生ずることを示す。そこで。それで。
    1. [初出の実例]「『君、ねえ、本当の事を言ひたまへよ』『で、もし本当なら如何(どう)する気だね』」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
  3. ② 会話文で、話相手に対して次の話をうながす時に用いる。それで(どうした)。それから(どうなった)。
    1. [初出の実例]「『国はどこじゃ』『紀州でござんす』『ムム、紀州。で』『母様と三人出ました』」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)四)

で

  1. ( 断定の助動詞「なり」の連用形「に」に助詞「て」の付いた「にて」の変化したもの ) 後に、断定の助動詞「だ」の活用に組み込まれて、連用形として、連用中止形に用い、また、「ある」「ない」「あります」「ございます」などに続けて用いる。
    1. [初出の実例]「今の后は継母でぞ有りける」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
    2. 「去ればこそ田舎者で、何をも存ぬ」(出典:虎寛本狂言・末広がり(室町末‐近世初))

で【で・デ】

  1. ( 「て」の濁音 ) ⇒て(て・テ)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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