ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノビコフ」の意味・わかりやすい解説
ノビコフ
Novikov, Sergey Petrovich
ロシアの数学者。1960年にモスクワ大学を卒業後,V.A.ステクロフ数学研究所で 1964年に博士号,1965年に理学博士号を取得。1964年にモスクワ大学の学部教授に就任,1975年ランダウ理論物理学研究所で数学部長となる。1983年 V.A.ステクロフ数学研究所の数学部長に就任した。1970年,フランスのニースで開催された国際数学者会議で位相幾何学(→トポロジー)に関する業績によりフィールズ賞を受賞した。ノビコフの位相幾何学における業績の一つは葉層構造に関する研究である。葉層構造とは,多様体をある余次元をもった部分多様体の共通部分をもたない和に分割することであり,ノビコフは閉じた葉層の存在についての重要な結果を得た。1965年に可微分多様体の有理ポントリャーギン類(→ポントリャーギン)の位相不変性を証明。多様体のトム空間のコホモロジーとホモトピー(→ホモトピー論)についての研究でも顕著な貢献をした。後年の研究は,理論物理学と数学の連携に向けられ,特にソリトン理論とテータ関数やスペクトル理論,代数幾何学との関連などについて業績を上げている。
ノビコフ
Novikov, Nikolai Ivanovich
[没]1818.8.12. モスクワ,チフビンスコエ
ロシアの啓蒙思想家。貴族の家庭に生まれ,モスクワ大学付属中学校で学んだ。新法案設定委員会で働いたのち,1769年以来『雄蜂』 Truten'をはじめとする風刺雑誌を編集発行して,農奴制と地主の専横ぶりを暴露。哲学,経済学,教育学に関する著作を書いたが,エカテリーナ2世によって逮捕,流刑に処せられた。
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