ビーバー石(読み)ビーバーせき(その他表記)beaverite

最新 地学事典 「ビーバー石」の解説

ビーバーせき
ビーバー石

beaverite-(Cu)

化学組成,明ばん石上族,明ばん石族の鉱物。Znに富むビーバー石(beaverite-(Zn),和名亜鉛ビーバー石)が種として認定されたので,以前から知られたビーバー石はbeaverite-(Cu)となった。三方晶系,空間群,格子定数a0.7203nm, c1.694,単位格子中3分子含む。黄色,土状光沢。硬度未決定,劈開{0001}に完全,比重4.31。光学的一軸性負,屈折率ω1.85。銅・鉛鉱床の酸化帯に他の銅鉛二次鉱物とともに産する。命名原産地であるHorn Silver鉱山のある米国ユタ州Beaver郡に由来。

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参照項目:明礬石上族
参照項目:亜鉛ビーバー石

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビーバー石」の意味・わかりやすい解説

ビーバー石
びーばーせき
beaverite

鉛(Pb)、銅(Cu)、鉄(Fe)を主成分とする含水硫酸塩の二次鉱物。構造的に明礬石(みょうばんせき)系列に属する。1962年(昭和37)秋田県尾去沢(おさりざわ)鉱山(閉山)から発見された新鉱物尾去沢石化学式PbCuAl2[(OH)3|SO4]2)が、発見時に本鉱のFe3+アルミニウム(Al)で置換した新鉱物であると判明したため、研究が進行した。原記載者の田口靖郎(やすろう)はその後も検討を重ね、尾去沢鉱山から日本初の本鉱の産出を記載した。深成・浅成熱水鉱脈型あるいは黒鉱式銅・亜鉛・鉛鉱床の酸化帯に二次鉱物として生成される。初生鉱物として方鉛鉱を伴うこともある。日本では前記尾去沢鉱山のほかは、秋田県大館(おおだて)市小坂鉱山(閉山)の黒鉱鉱床の上部の酸化帯中の少量成分として確認されている。

 自形は0.5ミリメートル以下のものしか確認されていないが、三方あるいは六角板状。共存鉱物として、珪(けい)くじゃく石ブロシャン銅鉱コニカルコ鉱オリーブ銅鉱、洋紅石carminite(PbFe3+2[OH|AsO4]2)、α(アルファ)‐ダフト鉱α-duftite(CuPb[OH|AsO4])、コーク石corkite(PbFe3+3[(OH)6|SO4|PO4])、ヒダルゴ石hidalgoite(PbAl3[(OH)6|SO4|AsO4])、尾去沢石などがある。同定は黄色から褐色土状の外観による。条痕(じょうこん)は外観とほぼ同色。粉末は被覆力がある。一見鉄明礬石に似るが、微粉にするとこれより被覆力が強いことがわかる。命名は本鉱の原産地ホーン・シルバーHorn Silver鉱山があるカリフォルニア州ビーバーBeaver郡にちなむ。

[加藤 昭 2018年7月20日]


ビーバー石(データノート)
びーばーせきでーたのーと

ビーバー石
 英名    beaverite
 化学式   PbFe3+2Cu[(OH)3|SO4]2
 少量成分  Al,Zn
 結晶系   三方
 硬度    ~3
 比重    4.31
 色     鮮黄、黄褐、淡褐
 光沢    土状のものしか知られていない
 条痕    黄、褐~淡褐
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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