地図投影の一種。正積図法となる擬円錐図法(ぎえんすいずほう)。中央経線を直線で表し、標準緯線は特定の標準緯度で地球上の緯線に接する直円錐の母線長を半径とし、中央経線上に中心を置く円弧とする。そのほかの緯線は標準緯線と同心の円弧で、中央経線上の経線の間隔が正しい距離で表される正距となるように半径を決めたものとする。緯線ごとにその上で正距となるようにした点を連ねる曲線を、そのほかの経線とする。以上から、すべての経線は標準緯線にだけ直交する。地図投影のひずみが等しい点を連ねた等ひずみ線はひずみのない中央経線と標準緯線とを広義の漸近線(漸近線の定義を拡大し、直線の中央経線と曲線の標準緯線に限りなく近づくこと)とする双曲線となる。標準緯線の緯度が0度の場合はサンソン図法になり、90度の場合の世界全図の形状はハート形となり、ハート形図法またはベルネル図法という。『プトレマイオス地理学』で述べられているプトレマイオス第2図法(トレミー第2図法ともいう)を原型とし、地域図に用いられるようになった。その数学理論をフランスのボンヌRigobert Bonne(1727―1795)が完成し、1752年にフランス沿岸海図帳に積極的に用いてから、この図法名が定着した。カッシーニ家によるフランス地形図の作成事業のあとから、ボンヌ図法はフランスの旧版地形図に用いられた。
[金澤 敬]
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…このうち世界全図を描く場合によく用いられる図法は,サンソン図法,モルワイデ図法,ハンメル図法,エッケルト第4図法,同第6図法などである(図2)。地球の一部(大陸や日本とその周辺など)を表示する場合には,ランベルト正積円錐図法,同正積方位図法,ボンヌ図法などがよく用いられる。正角図法の地図は,地図の任意の地点で角(方位角)が正しく表示されるので,航海,航空などの目的の地図にはつごうがよい。…
※「ボンヌ図法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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