ポーランド回廊(読み)ぽーらんどかいろう(英語表記)Polish Corridor

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポーランド回廊」の意味・わかりやすい解説

ポーランド回廊
ぽーらんどかいろう
Polish Corridor

第一次世界大戦後ドイツ領からポーランド領に編入された地域のうち、東ポモジェ(西プロイセン)とポズナニポーゼン)地方とをさし、ポーランドの海への通路という意味でつけられた呼称。この地は、古くからポーランドが支配してきたが、第一次・第二次ポーランド分割によってプロイセン領となっていた。1938年10月24日ヒトラーは、回廊を通過して東プロイセンとドイツ本国とを結ぶ、治外法権をもった自動車道路鉄道建設を要求してきたが、ポーランド政府はこれを拒否したため、翌年9月1日ドイツのポーランド侵攻が始まり、この地域の問題が第二次世界大戦の発火点となった。

[安部一郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポーランド回廊」の意味・わかりやすい解説

ポーランド回廊
ポーランドかいろう
Polish corridor

1919年のベルサイユ条約の結果,ドイツからポーランドに割譲された長さ 400km,幅 128kmの細長い地域。この条約によって,内陸国であるポーランドは同回廊を通って,バルト海の港湾都市ダンチヒ (ポーランド名グダニスク) へ出ることができた。 1938年 A.ヒトラーがこの回廊を通過する道路,鉄道の支配権を要求し,ポーランドに拒否されたことが第2次世界大戦の口火となった。戦後はドイツの敗北でこの回廊を含む広大な地域がポーランド領となった。

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