デジタル大辞泉 「マールブルグ病」の意味・読み・例文・類語
マールブルグ‐びょう〔‐ビヤウ〕【マールブルグ病】
[補説]1998~2000年にはコンゴ民主共和国で発生し、149人の患者が確認され123人が死亡。2005年にはアンゴラで388人の発症が確認され324人が死亡した。
エボラウイルスと同じひも状のフィロウイルス科に属するマールブルグウイルスが引き起こす出血熱。発熱や下痢、鼻や消化管からの出血などの症状に加え、感染から発症までの潜伏期間や死亡率の高さなど、エボラ出血熱とよく似た特徴を示す。1967年にドイツで実験用のサルから研究者らに集団感染して7人が死亡した。(ワシントン共同)
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マールブルグウイルスによる全身性の急性熱性伝染病で,1967年,ウガンダから輸入したアフリカミドリザルを介して,旧西ドイツおよび旧ユーゴスラビアの三つの研究所でほぼ同時に発生し,同定された。日本では国際伝染病として扱われる。ウイルス保有動物として齧歯類(げつしるい)が疑われているが,いまだ不明。ヒトへは経皮(傷口)感染を主とするが,エーロゾル感染もある。潜伏期間は5~9日。ふつう発熱,筋肉痛などのインフルエンザ様症状で始まり,高熱とともに腹痛,下痢などの消化器症状や全身性の発疹をみる。3~4病週に回復するが,重症例では全身に出血傾向を生じ,ショック状態で8~16病日に死亡する。不顕性感染や軽症例もあるが,院内感染で致命率が高い。診断はウイルス分離(血液,のどの粘液,尿および精液)または血中抗体の検出による。回復期患者の血漿の早期投与が特異療法である。
執筆者:今川 八束
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