みどり(市)(読み)みどり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「みどり(市)」の意味・わかりやすい解説

みどり(市)
みどり

群馬県東部に位置する市。2006年(平成18)新田(にった)郡笠懸町(かさかけまち)、山田郡大間々町(おおまままち)、勢多(せた)郡東村(あずまむら)が合併して市制施行、みどり市となった。北部には足尾山地が連なり、その山塊に源をもつ渡良瀬川(わたらせがわ)が北から南に向かって流れる。北部から中部まで大部分は山地。山地がとぎれる地に広い大間々扇状地が形成される。JR両毛(りょうもう)線、東武鉄道桐生線、上毛電鉄、わたらせ渓谷鉄道、国道50号、122号、353号が通じる。北部から中部までの集落は渡良瀬川の河岸段丘に形成される。中心地域は大間々扇状地の扇頂部に形成された大間々市街。大間々は江戸初期に足尾(あしお)銅山(現栃木県日光市)の銅を運び出すために整備された銅山(あかがね)街道の宿場町として発展。花輪(はなわ)村(東町花輪)・沢入(そうり)村(東町沢入)には銅問屋が置かれた。また大間々では生糸、絹や煙草の市、近郷農民を対象とした雑市も開かれ賑わった。しかし絹市の繁栄が東の桐生(きりゅう)に移ったように、商圏の中心は桐生で、現在も桐生市との関連が深い。1912年(大正1)足尾鉄道(現在のわたらせ渓谷鉄道)が敷設され、沢入の花崗岩産業が興った。「沢入みかげ」は著名。1976年(昭和51)草木ダム(くさきだむ)が建設され、1977年、県営の東(あずま)発電所が稼動。近年は弱電気、自動車部品、食品などの工場が進出。とくに笠懸地区は宅地化が進む。草木湖湖畔にはキャンプ場、国民宿舎、富弘(とみひろ)美術館などができ、観光地化が進んでいる。1946年(昭和21)相沢忠洋(あいざわただひろ)が発見した笠懸町阿左美(あざみ)の岩宿遺跡(いわじゅくいせき)(国指定史跡)は、考古学史上きわめて重要な遺跡として知られる。面積208.42平方キロメートル、人口4万9648(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android