ラ・ロシェル(読み)らろしぇる(英語表記)La Rochelle

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラ・ロシェル」の意味・わかりやすい解説

ラ・ロシェル
らろしぇる
La Rochelle

フランス西部、シャラント・マリティーム県の県都。人口7万6584(1999)。パリの南西466キロメートルにあり、ビスケー湾内のアンティオシュ湾に面する。港湾があり、漁業は衰退傾向にあるが、石油木材などの輸入港ともなっている。造船、自動車、機械、食品、繊維、既製服などの工業が盛ん。司教座が置かれ、14~15世紀の鐘楼、サン・ルイ寺院(18世紀)、司教館(1773~1777。現博物館)など古い歴史的建造物が多く、近くに海水浴場もあるため、観光地にもなっている。

 オーニス地方の中心都市で、1199年自治都市となり、ハンザ同盟都市などと交易を行う海港都市として発展した。百年戦争中はイギリス領となったが、市民が抵抗し、フランス王シャルル5世の拠点港となった。16世紀の宗教戦争の際は新教徒ユグノーの拠点となり、独立都市を宣言したが、1627~1628年リシュリューに攻囲されて兵糧を断たれ、陥落した。

 その後、カナダとの貿易で栄えたが、1763年植民地を失い、ナポレオン大陸封鎖もあり衰えた。

[高橋伸夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラ・ロシェル」の意味・わかりやすい解説

ラロシェル
La Rochelle

フランス西部,シャラントマリティム県の県都。ビスケー湾に面し,外港ラパリスとともに重要な貿易港,漁港。 12世紀頃から海港として栄え,16~17世紀には新教徒ユグノー派の重要な拠点となった。しかしフランスのカナダ領喪失やフランス革命の影響で衰退し,また第1次,第2次両世界大戦中の爆撃でも大きな損害を受けた。 1945年以降に漁港が修復され,200隻以上のトロール船漁船を収容する港湾施設,近代的魚市場が建設されている。 1890年に市の 5.5km西に開設されたラパリス港は大型船の入る商港で,以後たびたび拡張され,周辺に造船所,石油精製工場などがある。人口7万 3744 (1990) 。

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