日本大百科全書(ニッポニカ) 「リービット」の意味・わかりやすい解説
リービット
りーびっと
Henrietta Swan Leavitt
(1868―1921)
アメリカの天文学者。マサチューセッツ州ランカスターに生まれる。オハイオ州のオベリン大学を経て、ラドクリフ大学(現、ハーバード大学)に学び、1892年に卒業した。このころ病気で難聴になる。当時難聴の女性が職につくのはむずかしかったが、1895年ハーバード大学天文台でボランティアの研究助手になり、1902年に正式な職員になった。彼女は写真乾板の恒星像から写真等級を決定する仕事を行っていた。1907年から天の北極付近の写真等級を決める作業を始め、1917年にその結果を発表、これは国際標準に採用されている。また変光星を2400個以上も発見した。これは当時知られていた変光星の半数に近かった。
しかし、最大の功績はセファイド型変光星の絶対光度と変光周期の関係を発見したことである。マゼラン星雲の一連の写真乾板の解析を行っているときにこれを発見した。1912年にはセファイド型変光星の見かけの等級と周期の対数が直線関係になることを示した。のちに、この発見に基づいた星までの距離の測定法が開発され、正確に測定できる星までの距離を100光年から1000万光年まで広げた。
[編集部 2023年6月19日]