日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルッソロ」の意味・わかりやすい解説
ルッソロ
るっそろ
Luigi Russolo
(1885―1947)
イタリアの画家、作曲家。初め音楽に関心をもつが、1901年ミラノに移り、絵画修復の徒弟を勤めながら絵画に専念、09年にミラノで開催された展覧会「白と黒」に銅版画を出品して認められた。11~13年、未来主義の画家として活躍したが、13年に「騒音芸術」と題する宣言を発表してからは、おもに音楽方面から未来主義運動に参加。自作の「騒音楽器」intonarumoriを携え、ミラノを皮切りにジェノバ、ロンドン、そして第一次世界大戦後はパリで未来派の騒音による挑発的なコンサートを行い(1921)、バレーズの関心をよび、のちのミュージック・コンクレートの先駆となる。34年イタリアに帰国後は神秘学に没頭し、晩年短期間は未来主義と異なるスタイルの絵を描いた。主要音楽作品に『自動車と飛行機の集会』『都市の目ざめ』『ホテルのテラスの昼食』(いずれも1913~14)がある。
[細川周平]