ルトスワフスキ(読み)るとすわふすき(英語表記)Witold Lutosławski

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルトスワフスキ」の意味・わかりやすい解説

ルトスワフスキ
Lutosławski, Witold

[生]1913.1.25. ワルシャワ
[没]1994.2.7. ワルシャワ
ポーランド作曲家。ワルシャワ音楽院で理論と作曲,同地の大学で数学を学ぶ。初期は『交響変奏曲』 (1938) や『パガニーニ主題による変奏曲』 (41) にみられるように新古典主義的作風であったが,1958年 B.バルトークの思い出のための弦楽合奏『葬送曲』で 12音技法を採用,さらに 61年『ベネチア遊戯』で偶然性の要素を導入,K.ペンデレツキとともにポーランド前衛音楽の代表者であった。代表作である『交響曲第二番』 (67) が第9回京都賞 (93) を受賞し,来日した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルトスワフスキ」の意味・わかりやすい解説

ルトスワフスキ
るとすわふすき
Witold Lutosławski
(1913―1994)

ポーランドの作曲家。生地のワルシャワ音楽院に学ぶ。ピアニストとして出発したが、第二次世界大戦後は作曲と教育活動に専念。欧米諸国に招かれて教鞭(きょうべん)をとり、国内外の賞を多数贈られるなど、現代作曲界で高く評価されている。弦楽合奏曲『葬送音楽』(1958)のころから斬新(ざんしん)な手法を取り入れ、管弦楽曲『ベネチアの遊び』(1961)、声楽管弦楽のための『アンリ・ミショーによる三つの詩』(1963)では偶然性を導入。チェロ協奏曲(1970)など多様な作品があるが、鋭い音感覚と論理的構成に一貫した特徴がある。

[益山典子]

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