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アイヌ文化振興法 アイヌぶんかしんこうほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アイヌ文化振興法
アイヌぶんかしんこうほう

正式名称は「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」。平成9年法律 52号。 1997年5月 14日公布。日本の少数民族,アイヌを固有の民族として初めて法的に位置づけた法律で,「アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現」を目的に,国と地方自治体の責任としてアイヌ語やアイヌ文化の継承者の育成,調査・研究,国民への啓発などの文化振興策を行うと定めている。しかし,アイヌの人々が求めていた先住権などの民族の権利は盛込まれず,「先住性は歴史的事実」とする付帯決議が衆参両院の内閣委員会で可決されたにとどまった。これに伴って,明治政府が同化を目的に制定して以来,アイヌ民族に適用されてきた北海道旧土人保護法が廃止された。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

アイヌ文化振興法

アイヌを固有の民族として位置づけた初めての法律。国や地方自治体にアイヌ文化の調査・研究、承継者の育成、国民への啓発活動などを進めることを義務づけた。制定により、差別的な呼称などへ批判があった「北海道旧土人保護法」などが廃止されたが、アイヌが求める「先住権」などは盛り込まれず、文化振興に限定された内容には批判もあった。

(2016-06-06 朝日新聞 朝刊 北海道総合)

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デジタル大辞泉の解説

アイヌぶんか‐しんこうほう〔‐ブンクワシンコウハフ〕【アイヌ文化振興法】

《「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」の通称》アイヌの民族としての誇りを尊重し、アイヌ語、その音楽・舞踊・文学・工芸などの振興を図り、かつそれらについての調査研究、知識の普及を目的とする法律。平成9年(1997)成立、施行。これに伴い、明治32年(1899)制定の北海道旧土人保護法は廃止。アイヌ新法

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百科事典マイペディアの解説

アイヌ文化振興法【アイヌぶんかしんこうほう】

正式名称〈アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律〉。1997年5月成立。1899年の〈北海道旧土人保護法〉を廃止し,アイヌ民族に関するすべての差別をなくすことを目的として,北海道ウタリ協会が中心となって1984年に原案を作成。
→関連項目アイヌ萱野茂先住民族

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世界大百科事典内のアイヌ文化振興法の言及

【アイヌ】より

… かくして政府は,これをうけて97年4月,〈アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する国民に対する知識の普及及び啓発を図るための施策を推進することにより,アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図り,あわせて我が国の多様な文化の発展に寄与することを目的〉とした〈アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律〉を制定し(同年7月施行。〈アイヌ文化振興法〉と略称される),〈北海道旧土人保護法〉と〈旭川市旧土人保護地処分法〉を廃止した。しかし,この法律はその本質的な部分において,北海道ウタリ協会が求めてきた〈アイヌ新法〉の内容や〈懇談会〉の報告書の内容とは大きくかけ離れたもので,単に〈アイヌ文化〉の振興や普及策のみを規定したものに過ぎなかった。…

※「アイヌ文化振興法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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