アミノピリン

デジタル大辞泉 「アミノピリン」の意味・読み・例文・類語

アミノピリン(aminopyrine)

解熱・鎮痛剤の一。白色可溶性粉末ピリン剤一種発癌はつがん性があるため、内服では使われなくなった。

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精選版 日本国語大辞典 「アミノピリン」の意味・読み・例文・類語

アミノ‐ピリン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] aminopyrine ) 鎮痛解熱剤の一つ無臭無色または白色の結晶、あるいは白色の結晶性粉末。

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化学辞典 第2版 「アミノピリン」の解説

アミノピリン
アミノピリン
aminopyrine

4-dimethylamino-2,3-dimethyl-1-phenyl-5-pyrazolone.C13H17N3O(231.30).アセト酢酸エステルフェニルヒドラジンから3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロンを合成し,これをN-メチル化,ニトロソ化,還元,メチル化の工程を経て製造される.無色または白色の結晶,あるいは結晶性粉末.無臭.味はわずかに苦い.融点107~109 ℃.クロロホルムエタノールに易溶,水,エーテルに可溶.光によって変化する.還元性があり,酸化剤の共存で,青~紫色呈色反応を示す.ピラゾロン系合成解熱・鎮痛薬として用いられる.薬効アンチピリンの約3倍.吐き気頻脈ヘマトポルフィリン尿症,無顆粒細胞症などの副作用を起こすことがある.[CAS 58-15-1]

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改訂新版 世界大百科事典 「アミノピリン」の意味・わかりやすい解説

アミノピリン
aminopyrine



化学構造の上から同じ系統に属するアンチピリンとともに比較的つよい解熱鎮痛作用をもつ薬剤ピラゾロン誘導体,いわゆる〈ピリン系〉の薬剤で,19世紀の終りころからわりあいに近ごろまで広く使用されてきたが,副作用として致命的な無顆粒球症を誘発することが注目されるようになり,その使用は急速に低下した。これに加えて,食品中などにわずかに存在する亜硝酸塩との反応によって発癌性物質が生成する危険性があるのではないかという問題が生じ,これに対する行政的配慮から1977年以来使われなくなっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アミノピリン」の意味・わかりやすい解説

アミノピリン
あみのぴりん
aminopyrine

アンチピリンの誘導体で、わずかに苦味を有する白色結晶性粉末。1884年ドイツで創製され、バイエル社で発売した解熱・鎮痛剤。アンチピリンより作用が強く、アスピリンやフェナセチンより鎮痛効果が大であったため繁用されていたが、副作用として顆粒(かりゅう)球減少症をおこすこと、さらに、経口投与されると胃内で食物由来の亜硝酸塩と反応してジメチルニトロソアミンが生成、これが発癌(はつがん)性を有することから使用が制限され、一般用の薬には使われなくなった。注射薬または坐薬(ざやく)として用いられる。

[幸保文治]

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百科事典マイペディア 「アミノピリン」の意味・わかりやすい解説

アミノピリン

ピリン系解熱・鎮痛薬。白色結晶性粉末。劇薬。一般の熱の出る病気,風邪などの解熱,頭痛,歯痛,リウマチなどの鎮痛に用いた。経口剤は発癌性があるとされ,注射剤としてのみ使用された。特異体質にはピリン疹を発することがあり,連用すると無顆粒(むかりゅう)細胞症となる副作用がある。1977年以後使われなくなっている。(図)
→関連項目薬疹

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世界大百科事典(旧版)内のアミノピリンの言及

【アンチピリン】より

アミノピリンよりはいくらか弱いながらも比較的に強い解熱鎮痛作用をもち,19世紀の終りころからわりあいに近ごろまで広く使用されてきた薬物。アミノピリンと同じく,ピラゾロン誘導体,いわゆる〈ピリン系〉薬剤で,現在ではその使用は急速に低下しアスピリンのほうに比重が移っている。…

※「アミノピリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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