フランス中西部、アンドル・エ・ロアール県の都市。人口1万1457(1999)。県都トゥールの東25キロメートルに位置し、ロアール川に臨む。ゴシック風のアンボアーズ城は、1492年から、イタリアのルネサンス芸術の移植を試みたシャルル8世によって建築され、フランソア1世によって増築されたもので、その壮麗な姿をもって、ロアール川沿いの諸城のなかでも歴史的価値の高い建築物とされる。アンリ2世の急死後に即位した幼王フランソア2世と権力を握ったギーズ公François (Ⅰer)de Guise(1519―1563)を、1560年新教徒のユグノー派が襲った「アンボアーズの陰謀」の地として知られ、1563年には新教徒に対して信仰の自由を許可するための勅令がここで宣告された。また、レオナルド・ダ・ビンチがこの地で晩年を過ごした。現在は、工作機械、光学機械など機械工業を主とする小規模な工業中心地である。
[高橋伸夫]
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フランス中部,アンドル・エ・ロアール県の古い城下町。人口1万1116(1975)。ロアール左岸に位置する。中世にはアンジュー伯,次いでベリー伯の所領であったが,1434年シャルル7世により王領に編入。歴代の諸王が滞在したゴシック様式の城館(15世紀末)は,1560年フランソア2世を新教徒側にひき入れようとして失敗に帰した〈アンボアーズの陰謀〉の舞台として名高い。城内の聖ユベール礼拝堂には,近くのクロ・リュセの館で亡くなったレオナルド・ダ・ビンチの墓がある。
執筆者:稲生 永
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