インストルメンタリズム(読み)いんすとるめんたりずむ(英語表記)instrumentalism

翻訳|instrumentalism

日本大百科全書(ニッポニカ)「インストルメンタリズム」の解説

インストルメンタリズム
いんすとるめんたりずむ
instrumentalism

抽象概念に対するプラグマティズム、とくにデューイの考え方で、概念道具説または器具説と訳される。デューイによると、概念は、プラトンのイデア論で語られる超越的で永遠、不動の存在や、カントの範疇(はんちゅう)のように、主観の先験的な形式でなく、また、イギリス古典経験論のいうように、外界からの受動的観念やイメージおよびそれらのモザイク的な構成物でもない。それは、人間の環境への順応という実際の経験の過程で形成されて、実験的に対象に適用され、その成果の効用によって是非が判定されるべき道具、手段である。そこで概念は、観想の静止的対象でなく、実践的活動の過程で使用され、絶えず修正、廃棄、創造されるべき指針である。以上は、プラグマティズムの実験的経験主義の主張、理論と実践の連続的な把握、認識を生物体と環境との相関関係においてみる考え方などの伝統を概念に適用した結果である。

[杖下隆英]

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精選版 日本国語大辞典「インストルメンタリズム」の解説

インストルメンタリズム

〘名〙 (instrumentalism) 道具主義。アメリカのジョン=デューイがプラグマティズムの立場から唱えた主張。一般に概念や知識というものは、人間が環境に適応して欲求を実現するための道具であって、経験によって生成し、絶えず修正されるとする。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「インストルメンタリズム」の解説

インストルメンタリズム
instrumentalism

道具主義,器具主義などと訳されるように,観念,知識,思想などを人間の行動のための道具,生活のための手段と考える立場。プラグマティズムの一派で,J.デューイが代表者。実験主義とほぼ同意。

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デジタル大辞泉「インストルメンタリズム」の解説

インストルメンタリズム(instrumentalism)

デューイが主張する認識論上の立場。概念や真理を独立不変のものとせず、現実的解決の道具とみなし、その真偽規準も行動の有効性によるとする説。道具主義。概念道具説。→プラグマティズム
科学哲学で、科学理論は観察可能な現象の計算や予測に役立つ道具にすぎない、とする考え方。

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