翻訳|interview
面接のこと。特定の個人または集団と直接接触して交渉をもつことであり、調査や診断、試験、取材などのために必要な情報を収集したり、またはこの過程が被面接者に呼び起こす効果を利用して、治療または説得したりすることを目的として行われる。たとえば企業の採用面接のように「面接」ということばが用いられる場合だけでなく、「相談」「カウンセリング」なども面接の一種である。
面接の技法は、大別すれば、指示的面接directive interviewと非指示的面接non-directive interviewとに分けられる。前者は、心理学検査や社会調査の主要な技法の一つとなっており、質問紙(調査票)に書かれた質問文を読み上げ、回答を記録するという形式のものから、質問する事項だけが決められていて、質問の仕方は面接者にまかされるものまである。面接者による偏りが比較的少ないという長所はあるが、情報がともすれば皮相的になりがちである。一方、後者は、相手や状況に応じて自由に質問を変えながら面接者が必要な情報を得ていく方法で、検査や調査の技法の一つであると同時に、診断や治療のための技法でもある。被面接者の内面の心理状態や生活体験を知ることが可能になるが、標準化しにくい。
[原 純輔]
ジャーナリズムの世界では面接取材をさす。普通の記者会見(会見取材)で1人2人のニュース・ソース、その他の被取材者に対して取材記者が多数臨むのとは対照的に、インタビューの場合は、取材者側も相手と同じぐらいの小人数となる。相手が1人の場合は聞き手も1人となり、会話の妙味を生かし、人間味のある取材を行うことを目的とする。これによって、新聞、雑誌、放送の報道においても、記者が単に事実の提示を行うのみでなく、生身のニュース・ソースや証言者そのものを登場させることが可能になる。しかし、貴重な内輪話が出やすい反面、相手から公表しないようにオフ・レコの指定を受けることも多く、この機会の生かし方はむずかしい。
[桂 敬一]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…面接という用語は英語のインタビューの訳語であるが,日本でインタビューといえば,主として新聞,雑誌,放送の記者が取材相手に会見することを意味する。しかし現在,面接といえば入学試験や入社試験の採用時の人物判定である面接試験の意味に用いられる場合が最も多い。…
※「インタビュー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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