ウルボスピネル(読み)うるぼすぴねる(英語表記)ulvöspinel

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ウルボスピネル
うるぼすぴねる
ulvspinel

第二鉄とチタンの複酸化物で尖晶石(せんしょうせき)(スピネル)族の一員を構成する。形態は磁鉄鉱あるいはチタン鉄鉱中の顕微鏡的な離溶体として産し、まれに正八面体結晶を基調とした骸晶(がいしょう)を形成する。骸晶とは、骸骨の骨のように特定の方向を向いて間隔をあけて規則的に配列された微細結晶の集団が、全体として一つの結晶を暗示する立体的形態を構成するものである。正マグマ性鉄鉱床あるいはチタン鉱床で磁鉄鉱中の離溶物質として産し、比較的FeOやTiO2に富む玄武岩中にも産する。月面玄武岩の多くはこれを含む。キンバレー岩の少量成分をなすこともある。いずれの場合も著しい量の磁鉄鉱分子を含み、端成分に近いものはあまり知られていない。日本では青森県上北郡七戸(しちのへ)町天間林(てんまばやし)鉱山(閉山)の砂鉄鉱床から産する強磁性物質の中に本鉱の存在が確かめられている。
 共存鉱物は自然鉄、トロイリ鉱、石墨(せきぼく)、チタン鉄鉱、磁硫鉄鉱、黄銅鉱、苦土橄欖(かんらん)石‐鉄橄欖石、斜方輝石、斜長石、フッ素燐灰(りんかい)石など。同定は黒色、金属光沢、強磁性で磁鉄鉱と区別がつかない。命名は最初に本鉱が発見されたスウェーデンのウルボUlv島とスピネルとの合成語。[加藤 昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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