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エクイテス equites

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

エクイテス
equites

古代ローマの騎士 (階級) 。元来騎馬で軍務に服する者を意味し,セルウィウス・ツリウス制ではパトリキ (貴族) ,プレプス (平民) の 18ケンツリア (百人組) ,計 1800人が定められた。しかし次第に騎兵の戦術的価値が減じ,騎士はむしろ財産区分による階級をさすようになり,第2次ポエニ戦争後,軍事的職能が失われてくると,徴税請負人,金融業者,大商人などが属する階級の総称となっていく。その傾向は前 218年クラウディウス法が元老院議員を商業金融から締出して,騎士と区別したことによって促進され,G.グラックス (→グラックス兄弟 ) が 40万セステルチウスの財産資格を有する階級として,騎士身分を創設したことによって完成した。彼らは高官につかず,徴税請負,公共事業,貿易に従事した。また属州総督の不当取得法廷に介入して,元老院議員階級と抗争した。帝政期以後は帝権の支えとなり,近衛長官,エジプト総督は騎士の最高官職であった。4世紀以後政治的な力を失った。

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百科事典マイペディアの解説

エクイテス

古代ローマ社会の一身分で騎兵,騎士の意。元来は騎馬で軍務に服する人をさしたが,第2ポエニ戦争ころから商業および国営事業担当者,特に徴税請負人として勢力を伸ばし,元老院身分に次ぐ社会層となった。
→関連項目騎士

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世界大百科事典 第2版の解説

エクイテス【equites[ラテン]】

古代ローマで騎兵,また騎士身分の人をいう。equesの複数形。共和政期の制度では特定額以上の財産を持つ市民(おもに貴族)を騎兵,他の市民を歩兵に登録して軍団を編成した。騎兵は歩兵の上位を占め,民会では優先投票権を得た。前4~前3世紀になると,軍団騎兵の戦力は低下し,平民の騎兵で増強しても実効は得られなかったため,実戦には同盟者の騎兵をあて,制度上の特権と地位を保った。この名目的騎兵として新興の富裕市民,特に海外交易や徴税請負で巨富を得た平民が登録され,前2世紀,元老院議員身分の形成を機に騎士身分が成立した。

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世界大百科事典内のエクイテスの言及

【貴族】より

…元老院を中核とする貴族勢力は帝政のもとでも存続し,皇帝によるパトリキの新設もときに行われたが,2世紀以降,大土地所有制の変質による社会の構造変化にともない,伝統的な貴族支配の原理は力を失っていった。すでに共和政のもとで,国家から給付を受ける騎士(エクイテス)身分が形成され,これがやがて元老院貴族に次ぐ有力な階層として国営事業や徴税請負を独占し,その財力により帝政後期の政界で大きな力を振るった。
[中世]
 古ゲルマンの社会では,初期の自由人たる農民・戦士の共同体が,土地所有関係の変動を通じてしだいに解体し,農民と区別される軍事的な貴族身分が諸部族の指導層となった。…

※「エクイテス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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