エルドラド(英語表記)El Dorado

翻訳|El Dorado

デジタル大辞泉 「エルドラド」の意味・読み・例文・類語

エル‐ドラド(〈スペイン〉El Dorado)

16世紀の探検家たちが南アメリカアマゾン川上流奥地にあると想像した黄金郷。転じて、理想郷の意にもいう。
[類語]理想郷桃源郷別世界別天地無何有むかうさと武陵桃源ユートピアシャングリラザナドゥーアルカディア

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精選版 日本国語大辞典 「エルドラド」の意味・読み・例文・類語

エル‐ドラド

  1. ( [スペイン語] El Dorado )
  2. [ 1 ]
    1. [ 一 ] 一六世紀頃、スペイン人が南アメリカのアマゾン河流域にあると想像していた黄金の国。
    2. [ 二 ] アメリカ合衆国カリフォルニア州の俗称。
  3. [ 2 ] 〘 名詞 〙 ( [ 一 ][ 一 ]から ) 宝の山。理想の富源郷。理想郷。〔アルス新語辞典(1930)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「エルドラド」の意味・わかりやすい解説

エル・ドラド
El Dorado

16世紀スペイン人コンキスタドールが,新大陸に実在すると信じ,熱心に探し求めた伝説上の黄金の国。黄金郷と訳す。この伝説はボゴタチブチャ族の首長が年に1度グワタビタ湖の霊に供物をささげ,体中に金粉を塗って沐浴するという儀式に発し,スペイン人がそれを歪曲・誇張して作り上げたものとされる。エル・ドラドを求めて数多くの遠征隊が組織されたが,とりわけ有名なのはケサダGonzalo Jiméns de Quesada(1500?-79)麾下の北方(サンタ・マルタ)からの遠征隊,ベナルカサルSebastián de Benalcázar(1480-1551)指揮のキトからの遠征隊とドイツ人フェーダーマンNicolaus Federmann(1501-42)が率いたベネズエラからの遠征隊である。ケサダはマグダレナ川流域を遡行し,チブチャ族を征服してサンタ・フェ・デ・ボゴタを建設した(1538)。その後,他の二つの遠征隊もボゴタに到着した(1539年2月?)。エル・ドラドをはじめ〈シボラの七都〉や〈青春の泉〉などの伝説は,スペイン人コンキスタドールの探検の重要な動因となり,その結果,新大陸の実態が明らかになっていった。なお文学作品としては,E.A.ポーの《エル・ドラド》があり,ボルテールは《カンディード》で,唯一最善の国としてエル・ドラドを描いている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルドラド」の意味・わかりやすい解説

エル・ドラド
えるどらど
El Dorado

南アメリカにある伝説上の黄金郷。本来は「黄金を塗った男」の意味で、現在のコロンビアの首都ボゴタ北東にあるグアタビタ湖畔に居住していた先住民チブチャ人の首長(しゅちょう)をさした。金粉を全身に塗り込んだ首長は司祭を伴って湖に舟を出し、金銀、宝石を湖中に投げ、身を沈めると、金粉が広がって湖面が輝くという荘厳な儀式のようすが、スペイン人征服者の間に語り継がれた。これにより黄金郷伝説が広がり、そのもっとも有力な場所としてオリノコ、アマゾン両川源流の盆地説が生まれた。1531年スペイン人オルダスがオリノコ川の奥地で黄金郷のうわさを耳にしたのをはじめ、フェーデルマン(1537)や、ベナルカサル(1538)らが探査に乗り出した。なかでもヒメネス・デ・ケサダGonzalo Jiménez de Quesada(1495―1579)の大遠征隊が、コロンビア北岸に河口をもつマグダレナ川をさかのぼり、グアタビタ湖に到達したが、エル・ドラドを発見することはできなかった。しかし類似の秘境の存在を信じる者が後を絶たず、第二、第三の伝説を手掛りに黄金郷の探査熱は18世紀末まで続いた。

[寿里順平]

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百科事典マイペディア 「エルドラド」の意味・わかりやすい解説

エル・ドラド

南米にあると信じられた黄金の国。コロンビアのチブチャ族の首長が全身に金粉をまぶし,のち湖にはいって沐浴する祭儀が伝えられ,この架空国の伝承となったという。16世紀以後G.ピサロをはじめとするコンキスタドール冒険家,さらにW.ローリーなどもこの国を探索したが徒労に終わった。この語は転じて理想郷,黄金郷の意に使われる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エルドラド」の意味・わかりやすい解説

エルドラド
El Dorado

南アメリカの北部にあると信じられた伝説的な地名。黄金郷と訳される。南米コロンビアのボゴタ地方のインディオの首長が,祭りの日に全身に砂金を塗って聖地グアビタ湖に入り,祈りを捧げてこれを洗い落す宗教行事を行なったという伝説に基づく。 16世紀頃,この地を求めてスペイン人たちは新大陸を探検したが,ついに捜しあてることはできなかった。この伝説は,ボルテールをはじめ多くの文人たちの作品に取上げられている。

エルドラド
El Dorado

アメリカ合衆国,アーカンソー州南部の都市。 1843年入植,初期の産業は製材と綿花の栽培。 1921年石油が発見されてから石油,天然ガス工業が主産業となった。人口2万 3146 (1990) 。

エルドラド
El Dorado

アメリカ合衆国,カンザス州南東部,ウォルナット川に面する町。 1860年代に入植開始。 1915年,付近に石油が発見されてから急激に成長した。人口1万 1504 (1990) 。

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デジタル大辞泉プラス 「エルドラド」の解説

エル・ドラド

東京都にあった遊園地、としまえんのキャラクター。2013年登場。100年以上前にドイツの機械技術師により作成されたからくり馬。名称は園内にある回転木馬「カルーセルエルドラド」から。通称は「エルちゃん」。

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世界大百科事典(旧版)内のエルドラドの言及

【楽園】より

…大航海時代が始まって大西洋を西へ渡るヨーロッパ人のエネルギーの根底には,その種の古い楽園願望が強く作用していたと考えるべきである。スペイン人が南アメリカに求めたエル・ドラド(黄金郷)は楽園の変型であったろう。北アメリカ大陸の初期の英仏植民地(ルイジアナ,フロリダ,バージニアなど)は,それぞれ〈地上のエデン〉と認識され,また宣伝された。…

※「エルドラド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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