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optical electronicsをちぢめてオプトロニクスoptronicsともいう。オプトエレクトロニクスは,光学と電子工学の境界領域に生まれた新しい学問・技術分野である。光電子工学または光エレクトロニクスと呼ばれることもあり,とくに後者の呼称は一般化する傾向にある。オプトエレクトロニクスをきちんと定義することは,新しい境界領域分野であるためにかなりむずかしいが,一つの考え方として〈電子工学の果たしてきた機能を光学的手段でおきかえる,または光学の果たしてきた機能を電子工学的手段でおきかえるようなデバイスとシステムを対象とする工学の分野〉との定義が提案されている。
オプトエレクトロニクスの端緒は,1956年ごろからアメリカで光学と電子工学の結合の重要性が指摘されたことに求めることができる。その後,60年代に入ってレーザーの登場,70年代の通信用光ファイバーの登場などいくつかの幸運に恵まれて,いまや光通信を中心とした一大産業分野を形成するまでになっている。やや遠い将来においては,いわばみずからの両親にあたる光学と電子工学をも包括した統一的な工学分野を作るに至るであろうと考えられている。
執筆者:大越 孝敬
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(荒川泰彦 東京大学教授 / 桜井貴康 東京大学教授 / 2007年)
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[発展史と特質]
光学器械の製造が工業的に確立したのは19世紀後半,ドイツのカール・ツァイス社が光学ガラスの国産化をバックに顕微鏡生産を急増させて以来で,それまではきわめて小規模に望遠鏡,顕微鏡,カメラなどが作られていた。20世紀にはいると光学理論の急速な進展,光学ガラスの多品種化,精密加工技術の進歩により目覚ましい発展を遂げ,後半においてはオプトエレクトロニクス分野(光電素子,レーザー,光学薄膜,光ファイバーなど)が続々と開発され工業化が進められている。光学器械工業の特質としては,(1)光学系の設計には複雑で膨大な計算を必要とすること,(2)光学部品に使われる光学ガラスは多品種で厳密な光学的性能が要求されること,(3)他の工業製品に比べて原材料費が少なく,しかも加工工程が複雑で長いため高い付加価値をもつ工業であること,などがある。…
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