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カドミウム中毒 カドミウムちゅうどくcadmium poisoning

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カドミウム中毒
カドミウムちゅうどく
cadmium poisoning

金属元素であるカドミウム経口的または吸入によって体内に入り,中毒症状を起す現象をいう。経口的な急性中毒では,嘔吐,下痢,腹痛などの胃腸症状が出る。気道からの吸入による急性中毒では,喘鳴,胸痛,呼吸困難などが起る。また慢性中毒では,肺気腫,腎障害,胃腸障害,全身衰弱などをきたす。カドミウムによる中毒は産業中毒が多い。イタイイタイ病工場廃水の経口摂取によるカドミウムの慢性中毒が基盤となって発生するとみられている。

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デジタル大辞泉の解説

カドミウム‐ちゅうどく【カドミウム中毒】

カドミウム粉塵・蒸気の吸収や経口摂取によって起こる中毒。急性では上気道炎・肺炎などを起こして死亡することがあり、慢性では嘔気(おうき)のほか、消化器・腎臓・骨などの障害を生じ、イタイイタイ病が典型例。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カドミウム中毒
かどみうむちゅうどく

カドミウムのフューム(煙霧状粉末)を吸入するか、または経口的に摂取することによっておこる中毒をいう。以下、カドミウムの吸入および経口摂取時における毒性について述べる。[重田定義]

吸入毒性

酸化カドミウムのフュームを大量に吸入すると急性中毒をおこす。初めは鼻やのどの痛み、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐(おうと)、下痢などの症状が現れ、その後に胸痛、粘液性の痰(たん)を伴う強い咳(せき)、呼吸困難とチアノーゼなどの肺水腫(すいしゅ)の症状がおこる。この肺の症状が早く出るようなときには生命の危険もある。死に至らない場合は3日(72時間)以内に回復し始め、7~10日で気管や気管支、肺の血管周囲に線維化がみられる。また、カドミウムのフュームを長期間吸入することにより生ずる慢性中毒としては、肺気腫、胃腸障害、腎(じん)障害などがあり、とくに分子量2~3万の低分子タンパク質が尿中に出現することが特徴である。[重田定義]

経口毒性

大量に摂取すると、短時間で嘔吐と下痢を伴う急性胃腸炎がおこる。また、経口摂取が続くと、胃腸炎のほかに、頭痛、口中の金属味、体重減少、肝障害、腎障害がおこる。なお、長期にわたってカドミウムを摂取することが基盤となっておこった疾患に、公害病として知られるイタイイタイ病がある。カドミウムの労働衛生上の許容濃度は、1立方メートル中0.1ミリグラムである。[重田定義]

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世界大百科事典内のカドミウム中毒の言及

【カドミウム】より

…動力炉(PWR)では,Ag‐In‐Cd合金が,各元素の中性子吸収特性を補いあってハフニウムに匹敵する特性を示すものとして,ハフニウムの代替用合金として開発され,使用されている。【水町 邦彦】【後藤 佐吉】【大久保 忠恒】
[人体への影響]
 カドミウムおよびその化合物は有害物質であり,それらの蒸気または粉塵(ふんじん)を吸入することによってカドミウム中毒をおこし,カドミウムを取り扱う作業者に咽喉の刺激感,頭痛,めまいに端を発し,嘔吐,呼吸困難,胸痛等の症状を呈する急性中毒,肺気腫,腎機能障害を主要症状とする慢性中毒の発生がみられている。作業者の健康障害を予防するため,作業場内の空気についてカドミウムの許容濃度は0.05mg/m3と定められている。…

※「カドミウム中毒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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