カバラ(読み)かばら

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カバラ(ユダヤ教の神秘思想)
かばら
abblhヘブライ語
Cabbala英語

中世ユダヤ教の神秘思想。ユダヤ教における神秘主義的教説や慣行は、すでにタルムード(ユダヤ教の教典)にさかのぼり、バビロニア(メソポタミア)で律法主義的ユダヤ教と並んで原初的には存在していたが、中世ヨーロッパにもたらされて大きな展開をみせたものについてカバラ(伝統・伝承の意)の語が用いられる。ドイツにおけるカバラは、祈祷(きとう)、献身、瞑想(めいそう)、禁欲生活に励むことによって魂の高揚を得て、隠れた不可知の神のカボード(栄光)を幻に見るという神秘体験を強調する。一方、プロバンス(南フランス)、スペイン地方で発展したカバラでは、隠れた神は、その属性である10のセフィラー(知恵、慈悲、公正、美など)を通して把握されるもので、このセフィロート(複数)を駆使して宇宙の創造過程、構造、維持を論じ、神とその被造物の世界との調和と統一を思索した。スペインにおける神秘思想は1300年ごろ世に出た「ゾハール」(光輝の書)を生み、その後のユダヤ人神秘家の教科書となった。[石川耕一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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