カルデラcaldera(火山性の火口状凹地で直径が約2キロメートルより大きいもの)の全部ないしは大半に水をたたえた湖。湖盆を形成するカルデラは陥没によって生じることが多く、ほかに火山爆発や侵食などの成因も考えられている。カルデラ床のほとんどに湛水(たんすい)している場合をさし、カルデラの一部だけを占める火口原湖(例、榛名湖(はるなこ)・芦ノ湖(あしのこ))とは区別される。湖岸から急に深くなり、湖底が平坦(へいたん)で広いことは火口湖と同じで、面積のわりに深度は大きい。
湖盆の形態は、秋田県の田沢湖やアメリカ合衆国のクレーター・レーク国立公園にあるカルデラ湖クレーター・レークのように円形のこともあり、中央火口丘の噴出のため北海道の摩周湖や支笏湖(しこつこ)のように勾玉(まがたま)状をなしたり、湖底に火山島をもつため北海道の洞爺湖(とうやこ)のように環状となることもある。十和田湖は、カルデラと火山島や半島の火口とが連結したために湖岸線が不規則となった例である。日本の深い湖の大部分はカルデラ湖である。
[森 和紀]
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…一般に表面からの水の流出口がない。(b)カルデラ湖 火山の爆発や陥没などにより生じたなべ状の陥没凹地内にできた湖で,火口湖より大きい。十和田湖,田沢湖,摩周湖,北アメリカのクレーター湖などがその例で,深い湖が多い。…
※「カルデラ湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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