沼沢湖(読み)ヌマザワコ

デジタル大辞泉 「沼沢湖」の意味・読み・例文・類語

ぬまざわ‐こ〔ぬまざは‐〕【沼沢湖】

福島県西部にあるカルデラ湖只見川中流域に位置する。只見川との高低差を利用した揚水式発電が行われる。面積3平方キロメートル、湖面標高475メートル、最大深度96メートル。只見柳津やないづ県立自然公園中心

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日本歴史地名大系 「沼沢湖」の解説

沼沢湖
ぬまざわこ

只見ただみ川南岸、比高一五〇メートルに位置する小カルデラ湖で、約五千年前に沼沢火山によって形成された(金山町史)。もとは沼沢沼とよばれ、面積二・九八平方キロ、湖周約四キロの透明度の秀抜な湖沼として知られ、沼沢マスの名で親しまれるヒメマスの生息地として著名。「会津風土記」に「周六里深三十丈」とあり、「会津鑑」には「神代ヨリ池アリ、此ノ池ニ大アリ主ナリト云、天平勝宝二庚寅年六月十九日大地震、此池地中ニ沈ミ周リ一里余渡リ十八丁余ノ大沼ト変リシメ、コレヨリ沼沢村ト村名ヲ改メ、沼ノ主ヲ御前ニ祭リ鎮守ト祠立シメ六月十九日祭ルナリ」とある。「新編会津風土記」にも周り一里余で大蛇がすみ人を害したとあり、「積翠澄波の間に浮動し、山中には少なる勝境なり」と賞賛し、「東の涯を鑿て渠を通じ、諸村の田畝に灌ぐ」と用水利用について述べている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沼沢湖」の意味・わかりやすい解説

沼沢湖
ぬまざわこ

福島県西部,只見川中流部南方にあるカルデラ湖。面積 3km2周囲 7.5km,湖面標高 474m,最大水深 96m。排水口は湖の北端から沼沢川となって流出し,深い谷となって只見川に注ぐ。湖面は只見川水面より約 220m高く,この落差を利用して 1952年揚水式沼沢湖発電所が建設された。集水面積が狭いため只見川の水を揚げて貯水する。揚水式発電所先駆。ヒメマスの幼魚放流が行われる。只見柳津県立自然公園に属する。

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百科事典マイペディア 「沼沢湖」の意味・わかりやすい解説

沼沢湖【ぬまざわこ】

福島県金山町東部にある,面積2.99km2の湖で,水深が県内の湖で最も深いのが特徴二重式火山の沼沢火山(活火山)が形成したカルデラ湖で,東西と北を只見川に囲まれる。すぐ西側の惣山や南側前山はいずれも中央火口丘である。東側の只見川沿いに,沼沢湖との落差を利用した水力発電所が立地する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「沼沢湖」の意味・わかりやすい解説

沼沢湖
ぬまざわこ

福島県西部、大沼郡金山町(かねやままち)にある湖。面積2.98平方キロメートル。湖面標高474メートル、最大水深96メートル。約5000年前、沼沢火山が噴出したときに生じたカルデラ湖。只見(ただみ)川の河床との比高約200メートルを利用した揚水式発電所の貯水池の役割を果たしている。湖岸は原生林に覆われるが、湖岸を一周する遊歩道がある。ヒメマスが生息し、冬季にはハクチョウが飛来。越後三山(えちごさんざん)只見国定公園の一部。JR只見線早戸駅下車。

[中村嘉男]

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