キチョウ(英語表記)Eurema hecabe

  • common grass yellow
  • grass yellow
  • きちょう / 黄蝶

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シロチョウ科。前翅長 24mm内外。翅は黄色で,前後翅表面は外縁が黒い。秋型ではこの翅表黒色部が退化,あるいはまったくないものもあるが,裏面には小黒点が発達している。幼虫はマメ科のネムノキを好むが,ハギやその他のものも食べる。成虫越冬。年数回発生し,暖地では1年を通してみられる。本州以南の日本全土に普通に産するが,東北地方北部ではまれで,北海道南西部に採集記録がある。国外ではアジア中南部,ボルネオ島スラウェシ島スマトラ島ジャワ島ニューギニア,オーストラリアなどに広く分布する。日本産は亜種 E. h. mandarinaという。近縁のツマグロキチョウ E. laetaは,本種に似るが小型で,前翅頂が角張り,外縁の黒色帯は内縁が鋸歯状である。本州以南に産し,朝鮮,中国,アジア南部,インド,台湾からオーストラリアにかけて広く分布する。

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百科事典マイペディアの解説

鱗翅(りんし)目シロチョウ科の1種。開張45mm内外,黄色で,夏型は外縁が黒く縁どられるが,秋型は黒縁がなく,前翅端だけ黒色。本州以西の暖地から熱帯アジア,オーストラリア,アフリカに広く分布。幼虫はネムノキ,ハギなどを食べ,成虫は年数回発生,秋型はそのまま越冬する。

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世界大百科事典 第2版の解説

鱗翅目シロチョウ科の昆虫(イラスト)。やや南方系の種で,本州以南に多く,北海道では記録はあるがきわめてまれ。明るい丘陵地のほか,東京などの市街地でもよく目撃されるが,これは幼虫の食樹であるハギ,ネムなどが栽植されているためでもある。やや小型で,開張は4~4.5cm。の翅表面は鮮やかな黄色,雌は淡黄色であるが,裏面の模様や表面の黒色部は季節による変異が大きい。夏型はやや大きく,黒色部が発達しない。秋型の裏面は褐色鱗粉が多く,そばかす状の斑点もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

昆虫綱鱗翅(りんし)目シロチョウ科に属するチョウ。アフリカおよびアジアの熱帯から温帯にかけて分布が広く、日本でも関東地方以南の暖地にきわめて普通、それより北上するにつれて少なく、東北地方北部では年によって迷チョウが発見される程度となる。はねは黄色、表面の黒い縁どりは夏型ではよく発達して明瞭(めいりょう)であるが、秋型では発達が弱く、ときにほとんど消失する。成虫態で越冬し、多化性であるので早春より晩秋まで連続的にその姿がみられる。幼虫の食草はマメ科植物で、メドハギそのほかのハギ類、ネムノキ、サイカチ、アカシア類(植栽)を食べる。沖縄本島ではそのほかにクロウメモドキ科のヒメクマヤナギ、リュウキュウクロウメモドキも食草となる。[白水 隆]

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