デジタル大辞泉 「貴」の意味・読み・例文・類語
き【貴】[漢字項目]
[学習漢字]6年
1 価値・身分が高い。「貴顕・貴族・貴重・貴賓・貴金属・貴公子/高貴・尊貴・富貴」
2 値段が高い。「騰貴」
3 相手に対して敬意を示す語。「貴下・貴君・貴校・貴国・貴社・貴殿」
[名のり]あつ・あて・たか・たかし・たけ・むち・よし
[難読]
[ 一 ]②について「ロドリゲス日本大文典」では「qui(キ)はタットシで、尊敬すべき等といふ意味をあらはす。ソン(尊)よりは低い敬意を示し、本来は俗人や剃髪してゐない人に対して使はれる。例へば、quiden(キデン)、quixo(キショ)、〈略〉等」といっている。また、待遇価値は「御」「芳」よりも高いという。

(きょく)+貝。貝を両手で捧げる形。貴重なものとして扱う意を示す。〔説文〕六下に「物賤(やす)からざるなり」とし、字形を貝に従い、臾(ゆ)声とするが、声が合わない。また「臾は古文
なり」とするが、
は物を運ぶ草器のもっこで、貝を草器に入れることはない。貝は系で貫いて前後にふりわけて荷ない、一朋という。古く貨として通用し、彝器(いき)の銘文に、その製作費に十数朋の貝を用いたと記すものがある。のち物のみでなく、人の身分や性行などに関しても用いる。
(遺)・
・饋・
・
・潰・
・匱・
・
など十七字を収める。饋・
は遺贈の意であるが、
・
・
などには
乱の意がある。宝貝・貝貨の毀損しやすいことからの転義であろう。
▶・貴義▶・貴倨▶・貴虚▶・貴近▶・貴顕▶・貴賢▶・貴公▶・貴倖▶・貴幸▶・貴国▶・貴左▶・貴札▶・貴仕▶・貴種▶・貴主▶・貴酬▶・貴尚▶・貴臣▶・貴信▶・貴盛▶・貴誠▶・貴戚▶・貴賤▶・貴族▶・貴宅▶・貴冑▶・貴重▶・貴
▶・貴閥▶・貴妃▶・貴賓▶・貴嬪▶・貴富▶・貴望▶・貴茂▶・貴門▶・貴游▶・貴遊▶・貴要▶・貴恙▶・貴覧▶・貴里▶・貴和▶
貴・珍貴・糴貴・騰貴・負貴・富貴・忘貴・暴貴・隆貴・良貴出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…
【西洋】
西洋の歴史において貴族とは,一般に大規模な世襲的土地所有を経済基盤として,生活のための手の労働から解放され,その卓越した軍事的役割と,高貴な血統による排他的門閥形成を通じ,国家の政治的指導の面で大きな特権をもつ身分を指す。英語ではnobility,フランス語ではnoblesse,ドイツ語ではAdel。…
…本来公家(こうか∥こうけ)の語は,朝廷・国家ひいては天皇など〈おおやけ〉を指す。律令制のもとでは,為政者は三位以上の〈貴〉と四,五位の〈通貴〉にわけられ,地方の豪族や名望家はその下位に位置づけられていた。平安後期武士や寺社の勢力が強大になると,朝廷(おおやけ)の政治を担当する身分つまり朝臣が公家と呼ばれるようになり,なかでもその最高の地位たる大臣,納言,参議を公卿(くぎよう)(総じて三位以上を上達部(かんだちめ)という),四,五位の昇殿を許された者を殿上人(てんじようびと)といい,それ以下の地下人(じげにん)と区別した。…
…一般に身分的な位階序列を表す貴族の称号を爵位というが,貴族制の存在したヨーロッパ世界と中国,日本でのありようは歴史的に異なる。
[ヨーロッパ]
古代ローマの貴族には,位階序列を表す称号はなく,ヨーロッパの爵位は,中世・近世においてその発達をみることができる。…
※「貴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...