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キニーネ quinine

翻訳|quinine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キニーネ
quinine

南アメリカのアンデス地方原産,現在インドネシアで栽培されているアカネ科のキナノキ樹皮から抽出するマラリア特効薬。白色粉末で,苦い。日本薬局方には,硫酸キニーネ,塩酸キニーネなどが収載されている。原産地の南アメリカでは経験から使っていたが,記録上は 1630年ペルー駐在スペイン総督キンコン伯夫人が,キナノキの樹皮でマラリアを治療した実績から,ヨーロッパに輸入されたと伝えられている。 1820年フランスの P.ペルチエが製剤化に成功。以来マラリアのほか解熱剤,鎮痛剤としても賞用され,抗生物質の出現までは,熱性疾患に対する有力な治療薬の1つであった。このほかに子宮収縮作用および抗不整脈作用をもつ。

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百科事典マイペディアの解説

キニーネ

キナの樹皮から得られるアルカロイド。塩酸塩として抗マラリア薬,解熱薬に用いる。味は非常に苦い。副作用として嘔吐(おうと),耳鳴り,発疹などをみることがある。なお現在では抗マラリア薬にはキニーネの数十倍も強力な誘導体(アテブリン,プラスモヒン,クロロキンなど)が合成されている。
→関連項目塩酸キニーネ解熱薬パーキンハーネマン

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栄養・生化学辞典の解説

キニーネ

 キニンともいうキナの樹皮から得られるアルカロイド.マラリアの特効薬として用いられる.

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世界大百科事典 第2版の解説

キニーネ【quinine】

南アメリカ原産のキナの樹皮に含まれるアルカロイドのなかの一つ。1820年ペルティエPierre‐Joseph Pelletierらによって純粋に分離された。分子式C20H24N2O2,融点177℃,無色針状晶。光学活性体で左旋性。塩酸塩,硫酸塩など水溶性塩類の味はきわめて苦い。合成抗マラリア薬が開発された1930年ころまでキニーネは唯一のマラリア治療薬であった。現在でも他の薬剤に耐性のマラリアの治療に使われる。

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大辞林 第三版の解説

キニーネ【kinine】

キナノキの樹皮(キナ)から抽出されるアルカロイド。白色の結晶で、味はきわめて苦い。通例、塩酸塩として解熱薬・健胃薬とする。マラリア熱の特効薬。キニン。 → キナ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キニーネ
きにーね
quinine

キナノキの樹皮(キナ皮)に含まれるキナアルカロイドの代表的なもので、キノリン誘導体である。日本薬局方には塩酸キニーネ、硫酸キニーネ、エチル炭酸キニーネの3種が収載されている。塩酸キニーネ、硫酸キニーネは白色の結晶で、無臭で味はきわめて苦い。抗マラリア剤、解熱・鎮痛剤、強壮剤として用いられたが、現在は抗マラリア剤としてわずかに使用されるのみである。マラリアの治療には塩酸キニーネ1日量1グラムを5~10回に分けて服用する。頭痛、めまい、耳鳴り、難聴、弱視などの副作用がみられる。子宮収縮作用、溶血作用もある。エチル炭酸キニーネは苦味がほとんどなく、小児の解熱剤としても用いられたことがあり、ドイツ名でオイヒニンEuchininともよばれた。[幸保文治]

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世界大百科事典内のキニーネの言及

【アマゾニア】より

…アマゾニアの原住民文化は,いずれも周囲の環境に対する正確な知識に裏打ちされており,その中には文明人にも有用なものが少なくない。例えばマラリアの治療薬キニーネもアマゾニア原住民の用いる薬草であった。アマゾニア原住民はこれらの知識のうえに豊富な神話,儀礼,宇宙論の体系をつくりあげてきたのである。…

【キナ】より

…南アメリカのアンデス山脈に自生するアカネ科キナ属の薬用樹木で,約40種を含む植物群のうち,類似した数種が利用される。樹皮をキナ皮(英名Jesuit’s bark,cinchonae cortex)とよび,それから得られたキニーネは熱病,とくにマラリアの特効薬として知られている。古くからインカ人がその樹皮をキナ・キナquina‐quina(kina‐kina)と称して熱病に用いていた。…

【局所麻酔薬】より

…これらコカインおよびコカイン代用薬が狭義の局所麻酔薬であり,真性局所麻酔薬とも呼ばれるが,次のようなものも広義には局所麻酔薬に含まれる。すなわち,(1)エーテル,クロロホルムなど本来は全身麻酔薬であるが局所麻酔作用を有するもの,(2)疼痛性麻酔薬 石炭酸(フェノール),メントール,キニーネなど局所に投与すると,初めは知覚神経刺激による疼痛を生ずるが,後に麻痺を起こすもの,(3)寒冷麻酔薬 沸点の低いエーテル,クロロホルム,クロルメチルなど気化熱を奪うことによって局部凍結をきたし知覚を鈍化させるもの,などである。麻酔【福田 英臣】。…

【解熱鎮痛薬】より

… 化学的にはさまざまな系統の化合物があるが,歴史的にみて最も古くから使われた薬物としては,17世紀にヨーロッパに伝えられた南アメリカ産の植物キナの樹皮,キナ皮をあげることができる。キナ皮は,アルカロイドに属する化合物キニーネを有効主成分として含有する生薬である。一方,サリチルアルコールの配糖体サリシンを含むヤナギの樹皮もまた,古くから世界各地で使われた歴史的な解熱鎮痛性薬物であった。…

【堕胎薬】より

…しかし,それらは,激しい作用のために有害で危険なものか,またはほとんど効果がないかのいずれかであった。キニーネ,麦角アルカロイドなども用いられた。子宮収縮薬のほか,下剤で腸運動を亢進して反射的に子宮を収縮させ堕胎をおこす方法もとられたが,副作用がつよく母体にとって危険をともなった。…

※「キニーネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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