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キュポラ cupola

翻訳|cupola

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キュポラ
cupola

溶銑炉ともいう。鋳鉄製造用の円筒形竪型炉のこと。原料銑鉄屑鉄,燃料コークスおよび溶剤で,これらを炉頂の開口から所定の順序で装入し,炉腹下部の羽口 (送風口) から送風してコークスを燃焼させ,原料を溶解する。炉温は羽口付近で最高 1800℃,溶融銑温度は 1500℃。炉の寸法は内径 0.6~1.5m,炉高 3.5~7m,溶解速度は大型炉ほど大で,1時間あたり2~25tと差が大きい。エネルギー効率にすぐれる。特殊鋳鉄の製造には原料に合金鉄を添加するが,これは炉頂から入れる場合と,湯口 (溶融金属流出口) で添加する場合とがある。キュポラの操業は製品鋳鉄の品質を左右する微妙な点があり,熟練を要する。日本古来のこしき炉と呼ばれるものもこの一種である。

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百科事典マイペディアの解説

キュポラ

溶銑炉とも。鋳造のため銑鉄や鉄くずを溶解する炉。一般に直立形の炉で,上部から銑鉄,コークスなどを装入,下部の羽口から送風する。毎時溶解量3〜10tの小型炉が多いが,炉壁を水冷する大型炉もある。
→関連項目溶解炉

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世界大百科事典 第2版の解説

キュポラ【cupola】

鋳鉄を溶解する炉の一種で,最も広く用いられているもの。日本古来の〈こしき〉はその小型のものである。構造は図に示すように簡単で,立形円筒状の炉体の下部に出湯口,出滓口があり,その上部に空気を送る羽口,最上部に原材料である地金およびコークスの装入口がある。炉にある高さまでコークスをつめてから,一定の比率のコークスと地金および溶解補助剤として石灰石を交互に投入する。地金にはふつう銑鉄,鋼くず,鋳鉄製品の戻りくず(故銑)が用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キュポラ
きゅぽら
cupola

鋳鉄鋳物を製造するための直立する鋳鉄溶解炉で、古くから用いられている。埼玉県川口市は鋳物工場の多い街として有名であるが、ここを舞台とした小説で映画化もされた『キューポラのある街』で一般にも親しまれている。
 炉の構造は簡単で、鉄板を巻いて立型円筒形とし、内側に耐火れんがで裏張りする。炉底は開閉できるようにし、溶解終了後開いて炉内容物を落下させる。炉壁には下方から、溶融鋳鉄の取出し口、溶融滓(さい)の取出し口、燃焼用の空気吹込み口(羽口(はぐち))、原料地金や燃料コークスや造滓剤を投入する装入口などがついている。
 炉底より羽口上のある高さまでコークスを詰め、その上に地金(銑鉄、鋼くず、鋳鉄くずなど)とコークス、造滓剤(石灰石)を一定の量比で交互に装入し、羽口から空気を送風機により送り込み、コークスを燃焼させて地金を溶解し、炉底近くの取出し口から溶融鋳鉄を取り出して取鍋(とりべ)に受け、これを鋳型まで運び鋳造する。溶解能力は1時間当りの溶解重量で示され、炉の大小によって小は1トンから大は25トン程度のものまである。工芸品工場などでは、粘土でつくった樽(たる)状の円筒を3段くらい重ねて「こしき」と称して鋳鉄溶解炉としている。キュポラの名もラテン語の樽を意味するcupaに発するといわれる。現在では低周波誘導電気炉が鋳鉄溶解に広く用いられるようになったが、依然としてキュポラも広く用いられている。[井川克也]

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世界大百科事典内のキュポラの言及

【鋳物】より

…(6)鋳込金属の溶解 よい溶湯にすることは鋳物製造の第一条件である。溶解には,るつぼ炉,電気炉(アーク炉,高周波誘導炉,低周波誘導炉など),キュポラ,反射炉などが用いられる。溶解した溶湯は取鍋(とりなべ)に移される。…

※「キュポラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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