ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロジ」の意味・わかりやすい解説
クロジ
Emberiza variabilis; grey bunting
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スズメ目ホオジロ科の鳥。スズメより少し大きく,全長約17cm。雌雄異色で,雄は頭部と体下面が青みを帯びた暗灰色。背面は赤褐色に黒い縦斑があり,くちばしはピンク色を帯びている。雌は暗黄褐色のじみな鳥。日本,サハリン,千島列島,カムチャツカ半島南端だけに分布する。日本でも分布の広い鳥ではなく,本州中部の日本海側の山中から以北に繁殖し,冬を西南日本と沖縄の山地で過ごす。雪国の深山の樹林,とくに落葉広葉樹林内のササやぶを好む。ササやぶの中の地上で採食し,ササやぶの中に巣をつくるので,なかなか姿を見せない。一夫一妻で繁殖し,強いなわばり性を示す。ササの茎の上や低木にのせるようにわん形の巣をつくり,1腹4~5個の卵を産む。鋭くチッとかチチチと鳴き,さえずりは大声で力強く,フィーチョチョチョなどと聞こえる。冬は常緑広葉樹林下の地上に餌を求め,たいていつがいか小群で見られる。
執筆者:中村 登流
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鳥綱スズメ目ホオジロ科の鳥。同科ホオジロ属38種中の1種。全長17センチメートル。雄は暗灰色、頭頂と背に黒褐色斑(はん)があり、雌は暗緑色でアオジに似る。個体により大小の変化が多く、小形のものはチャボクロジとよばれることもある。カムチャツカ半島南部、千島列島、日本列島にのみ分布する種で、日本では南千島、北海道、中部地方以北の亜高山帯で繁殖、冬季は本州中部以南琉球(りゅうきゅう)諸島までの積雪の少ない温暖地に漂行し、低木林にまれでないが、つねにやぶの中を潜行するので目にとまる機会は少ない。主として草本の種子、動物では昆虫類、クモ類などを食べる。
[坂根 干]
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