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グリーンケミストリー ぐりーんけみすとりー green chemistry/sustainable chemistry

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知恵蔵2015の解説

グリーンケミストリー

旧来の高効率、低コストを優先する化学技術に対して、環境への負荷がより小さい化学技術。環境汚染を予防し、生活の安全性を確保、「持続可能な社会の構築を目指す化学技術」の開発の総称。欧州ではサステイナブルケミストリーとも呼ぶ。米国ではクリントン大統領(当時)の提唱により「グリーンケミストリー大統領表彰ならびに国際会議」が1995年に開かれ、環境保全に寄与する技術、製品開発などを顕彰している。アナスタス(P.T.Anastas)とワーナー(J.C.Warner)は「グリーンケミストリーの12カ条」としてまとめた『グリーンケミストリー』を出版し、特に予防的側面を強調している。日本では2000年に産学官が連携してグリーン・サステイナブル・ケミストリー・ネットワーク(GSCN)を設立、化学製品の全ライフサイクルを見通した技術革新により「人と環境の健康、安全」「省資源、省エネルギー」などの実現を目指している。環境の修復技術まで含めたことが特徴。フロン代替物やハロゲンフリーな製品や生産プロセスの開発、バイオプロセス利用の高度化などが主要な技術開発項目としてあげられている。

(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

グリーンケミストリー
ぐりーんけみすとりー
green chemistry

環境にやさしい化学をこのようによんでいる。これまでの化学技術、化学産業では効率と低コスト化が重視されてきたが、これに対し有害物質は使わない、また出さない、省資源、省エネルギー型の生産方式とするなど環境に与える影響を少なくするような化学技術、製品の開発などが重んじられる。アメリカの第42代大統領クリントンが1996年に始めた大統領表彰President Green Chemistry Challenge Awardおよび国際会議International Green Chemistry and Engineering Conferenceはとくによく知られている。グリーンケミストリーが取り上げているテーマはきわめて広汎(こうはん)なものであるが、触媒、バイオ触媒、溶剤、超臨界流体、代替溶剤、バイオ合成、安定化学品など多岐にわたっている。日本およびアジアでも多くグリーンケミストリーとよんでいるが、ヨーロッパ諸国ではやや過激な環境保護団体を連想させるということで、OECD(経済協力開発機構)の主唱するサステイナブルケミストリーsustainable chemistryがある。これはグリーンケミストリーを国際的なものとして推進していこうとするものである。
 日本では2000年(平成12)3月グリーン・サステイナブルケミストリーネットワーク(GSCN=Green & Sustainable Chemistry Network)という組織が設立され、化学製品の製造から廃棄に至るまでの安全性の向上、省資源、省エネルギー、環境保全のための化学技術の開発を目的として活動している。[中原勝儼]
『ポール・T・アナスタス、ジョン・C・ワーナー著、日本化学会・化学技術戦略推進機構訳編『グリーンケミストリー』(1999・丸善) ▽物質工学工業技術研究所編集グループ編『安全な物質・優しい材料――グリーンケミストリーをめざす物質工学』(1999・工業調査会) ▽御園生誠・村橋俊一編『グリーンケミストリー――持続的社会のための化学』(2001・講談社) ▽吉村忠与志・西宮辰明・本間善夫・村林真行著『グリーン・ケミストリー――ゼロ・エミッションの化学をめざして』(2001・三共出版) ▽宮本純之監訳、GSCネットワーク訳『グリーンケミストリー――環境にやさしい21世紀の化学を求めて』(2001・化学同人) ▽柘植秀樹・荻野和子・竹内茂弥編『環境と化学――グリーンケミストリー入門』(2002・東京化学同人) ▽読売新聞科学部著『地球と生きる「緑の化学――グリーンケミストリー」』(中公新書ラクレ)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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