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ゲージ理論 ゲージりろんgauge theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ゲージ理論
ゲージりろん
gauge theory

ゲージ対称性をもつ場の理論をさす。すなわち四次元時空の各点 (座標 xyzt) において定義された場の量ψ (xyzt) を測るゲージを各点ごとに独立に変えても,エネルギーなどすべての物理量が不変であるような理論である。数学的にはψが群G (ゲージ群と呼ぶ) のある既約表現として局所的に変換したとき,場の満たす運動方程式が共変的に変換する。このためゲージ変換で結びつく解は物理的には同一内容をさす (ゲージ同値) とみなされる。この不変性を保証するため,隣り合った2点間のゲージを関係づけるゲージボソンと呼ばれるベクトル場が存在する。一例として,電子と電磁場の理論はG=U (1) (位相変換) のゲージ理論で,電子場がψ,光子がゲージボソンとなる。最近の素粒子理論では,基本的相互作用を記述する理論はすべてゲージ理論なので (ゲージ一元論) ,その重要性が注目されている。すなわち,電磁相互作用弱い相互作用を統一的に記述するワインバーグ=サラムの理論はG=SU (2) ×U (1) のゲージ理論であり,強い相互作用を記述する量子色力学 QCDはG=SU (3) のゲージ理論である。また重力相互作用を記述する一般相対性理論はGを局所ローレンツ変換群とするゲージ理論である。

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デジタル大辞泉の解説

ゲージ‐りろん【ゲージ理論】

素粒子の相互作用をゲージ不変性に基づいて統一的に記述しようとする理論。量子電磁力学素粒子の基礎理論となっており、素粒子間に働く力を媒介するゲージ場と、これに対応するゲージ粒子の存在が導かれる。量子電磁力学の一般相対性理論もゲージ理論である。

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百科事典マイペディアの解説

ゲージ理論【ゲージりろん】

の理論の一形式。現在,素粒子の相互作用に関する最も基本的な法則と考えられている。ある種の対称性および保存則を導く手続きが,時空の各点で独立に行われるという要請に基づくもので,力を媒介する場(ゲージ場)の存在が自然に出てくる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゲージりろん【ゲージ理論 gauge theory】

電磁気学の基本方程式であるマクスウェルの方程式をベクトルポテンシャルで書き直すことは非常に便利なことである。しかし,決まった電場,磁場に対してベクトルポテンシャルは一意的には決まらない。これをゲージの不定性という。場の理論で,例えば電子と光の相互作用を記述するためにはベクトルポテンシャルを用いることがどうしても必要であり,したがってゲージの不定性は本質的な意味をもつといえる。電場や磁場のような観測可能な量を不変に保ちながらベクトルポテンシャルを変える変換をゲージ変換といい,ゲージの不定性はゲージ変換によって完全に記述される。

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大辞林 第三版の解説

ゲージりろん【ゲージ理論】

ゲージ不変性を満たすように構築される理論。素粒子の基本的相互作用を扱う量子電磁力学、電弱理論、量子色力学はすべてゲージ理論である。さらに、超対称性をもつゲージ理論は、三つの相互作用の統一理論として有望視されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゲージ理論
げーじりろん
gauge theory

局所的な変換に対して不変な場の理論をいう。局所的な変換とは場所ごとに変換の角度が自由に選ばれた変換をいう。ゲージgaugeという学術語はワイルにより導入され、電磁相互作用をゲージ理論として認識した。この考えをヤン(楊振寧)とミルズRobert L. Mills(1927―1999)は、任意の内部自由度(時空と独立な自由度)に対する対称性に拡張した。このため非可換群に基づいたゲージ理論はヤン‐ミルズ理論ともよばれる。ヤンとミルズの理論発表の直後に内山龍雄は、重力の理論である一般相対論も一種のゲージ理論であることを示した。今日知られている素粒子の相互作用の理論、すなわち電磁相互作用と弱い相互作用の統一理論であるワインバーグ‐サラムの理論(WS理論)も、クォークの力学である量子色(いろ)力学(QCD)もすべてゲージ理論である。WS理論とQCDの大統一ゲージ理論が大きな関心をよんでいる。ゲージ理論は数学では接続の幾何学、すなわちファイバー・バンドルの理論に対応する。[益川敏英]

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