翻訳|corundum
corundum
化学組成Al2O3の鉱物。鋼玉とも。三方晶系,空間群
執筆者:山中 高光

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
アルミニウム(Al)の酸化鉱物で、宝石鉱物の一つ。鋼玉(こうぎょく)ともいう。宝石となる赤いものをルビー、青色などの赤色以外のものをサファイアという。鉱物としてはダイヤモンドに次いで硬く、研磨剤としても用いられる(研磨剤としては窒化ホウ素(BN)などダイヤモンドより硬いものもある)。ルビーは結晶質石灰岩、苦灰岩中、あるいはこれらから導かれた砂鉱(漂砂鉱床)中に、サファイアはアルミナに富んだ変成岩あるいは特殊な玄武岩中に産する。日本では、宝石になるようなものは少なく、接触変成岩中、ペグマタイトないし気成鉱床中、ろう石鉱床中、超塩基性岩に伴われる曹長岩中などに産する。
共存鉱物としては、白雲母、黒雲母、スピネル、紅柱石、葉ろう石、灰簾(かいれん)石、微斜長石などがあり、いずれもアルミニウムの鉱物である。またエメリーというアルミナに富んだ特殊な接触変成岩の成分をなし、カナダでは霞石(かすみいし)を含む片麻岩中に濃集して産する。高い硬度、大きい比重を特徴とする。理論上は石英と直接共存しないとされているが、南極のグラニュライト相に属する変成岩から石英との直接共存例が発見されている。コランダムは宇宙創成時に最初に生成された鉱物の一つといわれている。英名は、ルビーを意味するタミル語のkuruntamに由来する。
[加藤 昭 2018年12月13日]
コランダム
英名 corundum
化学式 Al2O3
少量成分 Fe3+,Ti,Cr
結晶系 六方
硬度 9
比重 4.00
色 無,灰,褐,赤,桃,橙,黄,緑,青など
光沢 ガラス~金剛
条痕 白
劈開 無
(「劈開」の項目を参照)
鋼玉ともいう。美しい赤色のものはルビー,また青色のものはサファイアといわれ,宝石として珍重される鉱物。化学組成はAl2O3であるが,少量のFe2O3,TiO2,Cr2O3などを含むものがある。ルビーの色は少量のCr2O3,サファイアの色は少量のFe2O3あるいはTiO2によるという。六方晶系。色は多様であるが,青色ないし無色,黄色ないし黄金色,まれに紫色,桃色ないし赤色を呈する。透明ないし半透明。ガラス光沢ないしダイヤモンド光沢。モース硬度9でモース硬度計の標準として用いられる。比重4.0~4.1。コランダム,磁鉄鉱あるいは赤鉄鉱,スピネルなどが複雑に混じり合ったものをエメリーemeryといい,粒状,黒色ないし灰黒色である。コランダムの産状は多様で産地も多いが,(1)ペグマタイトあるいはケイ酸分に乏しい火成岩の構成鉱物として,(2)アルミナに富む堆積岩,ボーキサイトなどの再結晶によって,(3)火成岩,大理石などが交代作用を受けて,(4)蠟石鉱床などの熱水変質帯に産出あるいは生成する。コランダム鉱床はカナダ,南アフリカ共和国,アメリカ,インド,マダガスカル,ソ連などに知られている。ルビー,サファイアは主として砂鉱から採掘され,ミャンマー,タイ,スリランカは良質なものを産することで有名である。日本では福島県石川,岐阜県苗木,奈良県二上山,広島県勝光山などにコランダムが産出し,石川,苗木にサファイア,大分県木浦鉱山にルビーの産出が知られている。エメリー鉱床は,多くの場合,ボーキサイト鉱床が接触変成作用を受けたもので,ギリシア,トルコ,アメリカなどに知られているが,ギリシアのナクソス島のものが有名である。日本では大分県木浦鉱山でエメリーが採掘されている。コランダムおよびエメリーはかつて研磨材の一種として用いられたが,近年は人工研磨材がその主流を占めるようになった。現在,ルビー,サファイアは人工的に合成され,時計などの軸受,装飾に用いられる。
→サファイア →ルビー
執筆者:津末 昭生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
α-Al2O3.鋼玉ともいう.アルミナの多形中の一つで,低温から融点までの全域でもっとも安定なもの.しばしばFe2O3やCr2O3を固溶した結晶鉱物(ルビー,サファイアなど)として天然に産出する.宝石,研磨材として利用されたが,人造コランダムができて以来,エメリー以外の天然品は研磨材として利用されなくなった.人造コランダムは主として研磨材に用いられ,電融してつくられ,原料に純アルミナを用いた白色のものはW砥粒,ボーキサイトからつくられるものは酸化チタンを含み有色でA砥粒とよばれる.そのほかベルヌーイ法による人造コランダムは,宝石,軸受けに使用され,靭性が高い.結晶は三方晶系.R
c.a = 0.5120 nm.α = 55°17′.モース硬度9(新モース硬度12).密度3.9~4.1 g cm-3.屈折率ε 1.76,ω1.768.融点2050 ℃.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…工業的には,ボーキサイトなどのアルミナ鉱石から,1888年にオーストリアのバイヤーKarl Josef Bayerによって発明されたバイヤー法により製造するのが普通である。天然のアルミナ結晶にはコランダム(鋼玉)があり,その純粋で美しく着色したルビーやサファイアなどは宝石に使われる。着色は微量に含まれる重金属によるものである。…
※「コランダム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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