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サマリア Samaria

翻訳|Samaria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サマリア
Samaria

パレスチナの中央にあった古代の都市とその周辺地方の名。南北に 64km,東西 56kmに及ぶ。北部はガリラヤ,南部はユダヤと接しヨルダンの西方に位置しており,防御には適した地形であった。イスラエルの王オムリ (前 880年頃) は,この丘陵地に新しく強大な首都を建設,サマリアと名づけてテルザから遷都し,以後北王国滅亡 (前 722/1) までこの国の首都であった。新約の時代になってヘロデ大王は,皇帝アウグスツスより与えられたサマリアを再建 (前 30頃) ,名をセバステ Sebastē (アウグスツスのギリシア語訳) と改めた。この名は現在のセバスティイェとして残っている。ヘロデ大王の治世から1世紀にかけてセバステは,ヘレニズム風文化の一つの中心となり,かなりの繁栄を回復した。イエスはサマリア人とはほとんど没交渉であったが,使徒時代,ギリシア語を話す使徒たちはサマリアに宣教におもむき,ピリポ,ペテロ,ヨハネらの活動を通じてここにも教会の基礎がおかれた (使徒行伝8・5~17) 。その後ユダヤ人の反乱でセバステは焼かれ衰退したが,セウェルス帝治下で再び繁栄を回復,キリスト教がローマ帝国の国教となるとセバステには司教座がおかれた。 634年以後はアラビア人の支配下に入った。

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百科事典マイペディアの解説

サマリア

パレスティナ中部の古都,イスラエル北王国の首都。ガリラヤとユダヤの間に位置し,南北王国の分離後,前880年ころオムリがここに都し,その子アハブが改造してから繁栄した。

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世界大百科事典 第2版の解説

サマリア【Samaria】

古代イスラエル北王国の首都。パレスティナ中央部の都市シケム(アラブ人はナーブルスと呼ぶ)の北西11km,高さ91mの丘(標高440m)の上にある。前9世紀初め,イスラエルのオムリ王が建設,さらにその息子のアハブ王が堅固な要塞都市に改造した。アハブはフェニキアの女イゼベルを王妃にしただけでなく,フェニキア文化の導入に積極的な態度を示した。当時フェニキアは高度の象牙細工の生産地として有名であったが,象牙細工の装飾をほどこした調度に満ちたアハブ王の宮殿は〈象牙の家〉と呼ばれた(《アモス書》3:15)。

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大辞林 第三版の解説

サマリア【Samaria】

紀元前九世紀初め、パレスチナ中央部に建設されたイスラエル王国の首都。紀元前722年のアッシリアによる占領後、ユダヤ教と異教との混合がなされたため、この地の住民はエルサレムのユダヤ人から差別の対象とされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サマリア
さまりあ
Samaria

パレスチナ中央部、エルサレムの北方約60キロメートルに位置する古代都市。イスラエル(ヘブライ)王国が南北に分裂後、紀元前9世紀初めから北のイスラエル王国の首都となった。ローマ帝国の支配下に入ってからは、北のガリラヤ、南のユダヤに狭まれる丘陵地帯をさす地方名となった。前722年のアッシリアによる占領後、この地に移住した異民族と残留ユダヤ人との混血によって生じたのがサマリア人である。この混血と異教との混合のため、ユダヤ人から激しく排斥され、バビロン捕囚から帰還したユダヤ人が神殿を再建したときにも参加を認められなかった。この両者の反目と、これを超越しようとしたイエス・キリストの教えは『新約聖書』(ヨハネ福音書(ふくいんしょ)4章)にみられる。現在も約300人の子孫がいるといわれる。[漆原隆一]

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世界大百科事典内のサマリアの言及

【イスラエル王国】より

…このあと,王位をめぐって数年間内乱が続いたが,前878年オムリが王になった。オムリはサマリアに王都を定める一方,ユダ王国と平和条約,フェニキア人と通商条約を結んで,北王国に初めて安定した王朝を建てることに成功した。このため,アッシリア資料は,オムリ家が滅亡したのちも,北王国を〈フムリの家〉と呼ぶ。…

※「サマリア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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