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サンガー Sanger, Frederick

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サンガー
Sanger, Frederick

[生]1918.8.13. レンコム
[没]2013.11.19.ケンブリッジ
イギリスの生化学者。ノーベル化学賞を 2度受賞した。ケンブリッジ大学セントジョンズ・カレッジに学び,1939年に学士号を,1943年に生化学で博士号を取得。1962年に分子生物学研究所の部門長となった。インスリンの修飾されていないアミノ基の同定と定量を試み,インスリンの一次構造を決定した。また,アミノ酸グリシン鎖の配列決定に成功した。1958年,蛋白質の配列を初めて決定した功績によりノーベル化学賞を受賞した。サンガーのグループは,1977年に初めてゲノムDNA塩基配列を完全に解読し,その後ヒトのミトコンドリアの DNA塩基配列を決定(→デオキシリボ核酸)。この功績により,1980年にポール・バーグ,ウォルター・ギルバートとともに 2度目となるノーベル化学賞を受賞した。1983年に分子生物学研究所を退職。1969年ロイヤル・メダル,1977年コプリー・メダル,1963年大英帝国三等勲功章 CBE,1981年名誉勲位,1986年メリット勲章を授与された。1993年ウェルカム・トラスト・サンガー研究所が創設された。

サンガー
Sanger, Lord George

[生]1827
[没]1911
イギリスの興行師。兄ジョン (1816~89) とともに,奇術ショーやサーカスの興行を行い,1871年にアストリー円形劇場を入手,スペクタクルを上演した。ジョージ卿と自称。

サンガー
Sanger, Margaret

[生]1879.9.14. ニューヨーク,コーニング
[没]1966.9.6. アリゾナ,トゥーソン
サンガー夫人として世界的に知られるアメリカ合衆国の産児制限指導者。初め看護師としてニューヨークの貧民街イーストサイドに勤めるうち,貧困,多産,母子の高い死亡率が共存するのを見て,産児制限の必要性を確信するようになった。 1914年雑誌を創刊し,家族計画のパンフレットを配布した。 1916年ブルックリンに全米最初の産児制限診療所を開いたが,公安秩序の妨害で逮捕され,感化院で 30日間の労役に服し,また 1929年にもサンガー産児制限診療所が家宅捜査され,書類を押収された。しかし医師やソーシャルワーカーなど支援者が増え,訴訟は却下になった。 1936年には,避妊の文書や器具の使用を風俗壊乱罪にしていた 1873年の風俗壊乱防止法が改正され,患者の生命を救い,健康を保持するために避妊を指示することは,医師の正当な権利であると認められた。 1921年アメリカ産児制限連盟を創始し,1928年まで会長を務めた。 1927年スイスで第1回世界人口会議を開催,1953年には国際産児制限連盟も組織され,初代会長になった。世界各地を遊説し,特に日本やインドをたびたび訪れている。

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デジタル大辞泉の解説

サンガー(Frederick Sanger)

[1918~2013]英国の生化学者。インスリンの構造決定に成功し、1958年ノーベル化学賞受賞。さらにDNA塩基配列の迅速決定法の発明で、1980年再度同賞受賞。

サンガー(Margaret Sanger)

[1883~1966]米国の女性社会運動家。スラム街の多産と貧苦悪循環を痛感し、産児制限運動を創始。1922年以来、数度来日した。

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百科事典マイペディアの解説

サンガー

英国の生化学者。タンパク質の構造研究にジニトロフェニル化法を導入して,インシュリンのアミノ酸の配列順序を究明,その化学構造式を決定した。1958年,ノーベル化学賞。

サンガー

米国の女性社会運動家。看護婦としてニューヨークの貧民街で働くうちにその貧困と非衛生の原因が多産にあることを知り,産児制限運動を提唱。1914年birth control(産児制限)の語を考案し,機関紙《女性反逆者》を発行,1916年産児制限相談所開設,1921年産児制限連盟結成,1923年産児制限診療研究所開設。
→関連項目加藤シヅエペッサリー

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

サンガー Sanger, Margaret

1883-1966 アメリカの産児制限運動家。
1883年9月14日生まれ。避妊法を研究し,1921年全米産児調節連盟を設立。大正11年来日し,産児制限運動の普及をめざすが,官憲に弾圧され,社会問題になった。1955年国際家族計画連盟を設立し会長。1966年9月6日死去。82歳。ニューヨーク州出身。

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世界大百科事典 第2版の解説

サンガー【Margaret Higgins Sanger】

1879‐1966
アメリカの産児制限運動指導者。看護婦学校を終了,結婚し3児をもうけた後,1910年ごろからIWWの労働運動などにたずさわった。ニューヨークのスラム街で看護婦として働くうちに,貧しい女性が多産や中絶で命を縮めるのを見て,女性を救うのは労働運動ではなく避妊の情報であると考え,産児制限運動を始めることを決意。14年,産児制限運動誌《女性反逆者》を発刊し,産児制限birth controlの語も考え出した。

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大辞林 第三版の解説

サンガー【Sanger】

〔Frederick S.〕 (1918~ ) イギリスの生化学者。タンパク質として初めてインシュリンのアミノ酸配列を決定。次いで、 RNA 、 DNA のヌクレオチド配列の決定法を考案、タンパク質・核酸の構造決定に画期的な方法を示す。
〔Margaret S.〕 (1883~1966) アメリカの社会改良家。スラム街で看護婦として働く間に貧困と多産の悪循環を痛感、産児制限運動を起こす。1922年(大正11)来日、山本宣治らに影響を与えた。

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世界大百科事典内のサンガーの言及

【産児制限】より

M.サンガーが提唱したバース・コントロールbirth controlの訳語で,人為的に妊娠を避け,あるいは人工妊娠中絶などによって人口を制限することをさす。ただ人口を減少させるのが目的ではなく,人間文化の発展につれて自分の境遇を自分の手で変えていく一つの方法として重要な意義がある。…

※「サンガー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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