ジゼル

精選版 日本国語大辞典 「ジゼル」の意味・読み・例文・類語

ジゼル

(Giselle) バレエ曲の一つ。アドルフ=アダン作曲。二幕。一八四一年パリ初演。組曲ふうのロマンチック‐バレエの代表作

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デジタル大辞泉 「ジゼル」の意味・読み・例文・類語

ジゼル(Giselle)

フランスの作曲家アダン作曲のバレエ音楽。台本はT=ゴーティエほか。二幕。1841年パリで初演。演劇的な第一幕と幻想的な第二幕が好対照をなす。

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百科事典マイペディア 「ジゼル」の意味・わかりやすい解説

ジゼル

アダン作曲のバレエ音楽ハイネの《ドイツより》に書かれていたオーストリア地方の妖精ウィリの伝説に触発されたゴーティエが,サン・ジョルジュとジャン・コラリ〔1779-1854〕との共作で台本を書き,コラリとJ.J.ペロー振付により,1841年パリのオペラ座で初演された。主役のグリジが踊った部分の振付はペローによるものといわれている。ロマンティック・バレエの名作として伝えられているが,原振付は失われており,現在広く流布している振付はプティパマリインスキー劇場で再演出(1868年)した版が基になっている。《ジゼル》はバレリーナ試金石ともいうべき作品で,スペシフツェワパブロワウラノワカルラフラッチ〔1936-〕などが名舞台を残している。→アロンソマルコーワ
→関連項目谷桃子チュチュフォンテイン森下洋子ローヤル・バレエ団

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジゼル」の意味・わかりやすい解説

ジゼル
Giselle

2幕のバレエ。台本テオフィル・ゴーチエ,アンリ・ベルノア・ド・サン=ジョルジュ。音楽アドルフ=シャルル・アダン。振り付けジャン・コラリ,ジュール・ペロー。装置 L.キケリ。カルロッタ・グリジのジゼル,リュシアン・プティパのアルブレヒト,アデール・デュミレートルのミルタで 1841年パリ・オペラ座で初演。スラブの民間伝承,死霊ウィリを扱ったハインリヒ・ハイネの『精霊物語』をゴーチエが脚色したロマンチック・バレエの代表作。王子アルブレヒトに裏切られた村娘ジゼルが命を絶ち,ウィリという妖精になって,霧のなかで月光を浴びて踊る。初演以来,数々の名バレリーナによって踊られ,ファニーエルスラー,アンナ・パブロワ,ガリーナ・ウラノワ,アリシア・マルコワ,マーゴ・フォンティン,イベット・ショビレらのものが有名。日本では谷桃子森下洋子のものが優れる。近年マッツ・エックやマリシア・ハイデの斬新な演出も知られる。

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現代外国人名録2016 「ジゼル」の解説

ジゼル
Gisele

職業・肩書
ファッションモデル

国籍
ブラジル

生年月日
1980年7月20日

出生地
リオグランデ・ド・スル州トレッス・デ・マイオ

本名
ブンチェン,ジゼル〈Büundchen,Gisele〉

受賞
FEC賞(モデル部門,第46回)〔2003年〕

経歴
14歳の時サンパウロで有名モデル事務所・エリートにスカウトされる。抜群のプロポーションとブロンドヘア、気品のある顔立ちでトップモデルとして活躍。ヴェルサーチ、セリーヌ、シャネル、H&Mなどの有名ブランドのモデルを務めるなど、ラテン系モデルの先駆者となる。米国化粧品「レブロン」のCMにも出演。2004年には映画「TAXI NY」に出演した。米経済誌「フォーブス」2014年版のスーパーモデル長者番付で8年連続1位に輝くスーパーモデル。2015年4月15日、ブラジル・サンパウロで開かれたランウェイを最後にファッションショーから引退。広告のモデルなどは続ける。2009年NFLニューイングランド・ペイトリオッツのQBトム・ブレイディと結婚。2児の母。身長180センチ。

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改訂新版 世界大百科事典 「ジゼル」の意味・わかりやすい解説

ジゼル
Giselle

2幕のロマンティック・バレエ。音楽はA.アダン。台本は,ゴーティエ,サン・ジョルジュとJ.コラリの共作。コラリとJ.ペロー振付。1841年6月パリ・オペラ座初演。ハイネの《ドイツより》に書かれたオーストリア地方に伝わる妖精ウイリに魅せられた若者が死ぬまで踊りつづけるという伝説をもとに創作された。恋した王子アルブレヒトの裏切りにみずからの命を絶つ村娘ジゼルの悲恋を描いたもの。グリジのジゼル初演後,42年ペチパが改訂,ロシアをはじめ世界各地で公演された。パブロバ,ウラノワ,フォンテインなど多くのバレリーナがジゼルで盛名をはせた。日本では谷桃子がこの役で一時代を画し,83年森下洋子がヌレーエフと共演した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジゼル」の意味・わかりやすい解説

ジゼル
じぜる
Giselle

2幕のバレエ。T・ゴーチエ、サン・ジョルジュ、J・コラリ共作の台本、A・アダンの音楽、コラリとJ・ペロー振付けにより、1841年パリ・オペラ座で初演された。初演ダンサーはC・グリジ(ジゼル)とJ・L・プチパ(アルブレヒト)。ゴーチエがハイネの「妖精(ようせい)物語」にヒントを得て台本の一部を書いた。村娘ジゼルはロイスという若者を恋するが、ロイスは実はアルブレヒトという王子であり、婚約者がいることを知り、ジゼルは狂乱の踊りのうちに持病の心臓病の発作で死んでしまう(第1幕)。結婚前に死んだ娘は森の中でウィリという妖精になるといわれ、ジゼルも森の中を通る男を死ぬまで踊らせるウィリになるが、森へ墓参にきたアルブレヒトを他のウィリたちに逆らって必死の思いで助ける(第2幕)。民俗色あふれた演劇的な第1幕と、白いロマンチック・チュチュを着けて踊られる幻想的な第2幕が好対照を示し、ロマンチック・バレエの代表的作品となっている。G・ウラーノワ、Y・ショビレ、C・フラッチなどが『ジゼル』を踊る舞姫として有名。

[市川 雅]

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デジタル大辞泉プラス 「ジゼル」の解説

ジゼル

①フランスの振付家ジュール・ペローとジャン・コラーリによる全2幕のバレエ(1841)。原題《Giselle》。パリ、オペラ座で初演。音楽はアドルフ・アダン。19世紀ロマンチック・バレエの代表作として知られる。
②フランスの作曲家アドルフ・アダンのバレエ音楽(1841)。①で使用される。原題《Giselle》。

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世界大百科事典(旧版)内のジゼルの言及

【ペチパ】より

…彼の作品は《ドン・キホーテ》(1869),《バヤデルカBayaderka》(1877)をはじめ自作だけでも60編を超すが,その作舞法は年とともに深味をまし豊かになり,とくに晩年にはチャイコフスキー,グラズノフの協力のもとに交響楽的バレエ《眠れる森の美女》(1890,曲チャイコフスキー),《白鳥の湖》(1895,イワノフと分担,曲チャイコフスキー),《ライモンダ》(1898,曲グラズノフ)など,近代バレエの頂点をなす不朽の名作をつくりあげた。また《ジゼル》《海賊》《エスメラルダ》など,先人の作品の改訂増補にいどみ,精彩さを加えた傑作として後代に伝えた。さらに当時のオペラの踊りの場面のほとんどを彼が振り付けたことを考えると,19世紀後半の舞踊界はペチパの時代と呼ぶにふさわしい。…

※「ジゼル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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