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出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報
2幕のロマンティック・バレエ。音楽はA.アダン。台本は,ゴーティエ,サン・ジョルジュとJ.コラリの共作。コラリとJ.ペロー振付。1841年6月パリ・オペラ座初演。ハイネの《ドイツより》に書かれたオーストリア地方に伝わる妖精ウイリに魅せられた若者が死ぬまで踊りつづけるという伝説をもとに創作された。恋した王子アルブレヒトの裏切りにみずからの命を絶つ村娘ジゼルの悲恋を描いたもの。グリジのジゼル初演後,42年ペチパが改訂,ロシアをはじめ世界各地で公演された。パブロバ,ウラノワ,フォンテインなど多くのバレリーナがジゼルで盛名をはせた。日本では谷桃子がこの役で一時代を画し,83年森下洋子がヌレーエフと共演した。
執筆者:桜井 勤
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
2幕のバレエ。T・ゴーチエ、サン・ジョルジュ、J・コラリ共作の台本、A・アダンの音楽、コラリとJ・ペロー振付けにより、1841年パリ・オペラ座で初演された。初演ダンサーはC・グリジ(ジゼル)とJ・L・プチパ(アルブレヒト)。ゴーチエがハイネの「妖精(ようせい)物語」にヒントを得て台本の一部を書いた。村娘ジゼルはロイスという若者を恋するが、ロイスは実はアルブレヒトという王子であり、婚約者がいることを知り、ジゼルは狂乱の踊りのうちに持病の心臓病の発作で死んでしまう(第1幕)。結婚前に死んだ娘は森の中でウィリという妖精になるといわれ、ジゼルも森の中を通る男を死ぬまで踊らせるウィリになるが、森へ墓参にきたアルブレヒトを他のウィリたちに逆らって必死の思いで助ける(第2幕)。民俗色あふれた演劇的な第1幕と、白いロマンチック・チュチュを着けて踊られる幻想的な第2幕が好対照を示し、ロマンチック・バレエの代表的作品となっている。G・ウラーノワ、Y・ショビレ、C・フラッチなどが『ジゼル』を踊る舞姫として有名。
[市川 雅]
…彼の作品は《ドン・キホーテ》(1869),《バヤデルカBayaderka》(1877)をはじめ自作だけでも60編を超すが,その作舞法は年とともに深味をまし豊かになり,とくに晩年にはチャイコフスキー,グラズノフの協力のもとに交響楽的バレエ《眠れる森の美女》(1890,曲チャイコフスキー),《白鳥の湖》(1895,イワノフと分担,曲チャイコフスキー),《ライモンダ》(1898,曲グラズノフ)など,近代バレエの頂点をなす不朽の名作をつくりあげた。また《ジゼル》《海賊》《エスメラルダ》など,先人の作品の改訂増補にいどみ,精彩さを加えた傑作として後代に伝えた。さらに当時のオペラの踊りの場面のほとんどを彼が振り付けたことを考えると,19世紀後半の舞踊界はペチパの時代と呼ぶにふさわしい。…
※「ジゼル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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