ゼオライト(読み)ぜおらいと(英語表記)zeolite

翻訳|zeolite

知恵蔵の解説

ゼオライト

アルミノケイ酸塩の一種。結晶構造に分子サイズの微細空孔を有し、そのサイズに見合った分子を吸・脱着したり、サイズの異なる分子が分離できる。窒素と酸素を分離する酸素富化膜、イオン交換体、種々の吸着剤や触媒の単体など幅広い用途に合成ゼオライトが用いられる。

(徳田昌則 東北大学名誉教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ゼオライト

マグマや火山灰に含まれるシリコン(ケイ素)やアルミ、酸素などが結び付いた鉱物の総称。「沸石」とも呼ばれる。結晶の中の「空洞」に陽イオンを閉じこめる特性を持ち、農業分野では肥料のカリウムなどを吸着させる土壌改良材として利用されてきた。原発事故で飛散したセシウムも陽イオンのため、土壌にまけばゼオライト吸着により、植物の吸収を防ぐと期待される。

(2012-04-30 朝日新聞 朝刊 福島中会 1地方)

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大辞林 第三版の解説

ゼオライト【zeolite】

沸石ふつせきのこと。
ケイ酸質イオン交換体の総称。硬水の軟化や分子ふるいに用いられる。合成ゼオライト。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゼオライト
ぜおらいと
zeolite

沸石のことであるが、ゼオライトというときは天然に産する沸石類だけではなく、人工的に合成したいわゆる人造沸石をも含めていう場合が多い。
 沸石類は本来その特性からイオン交換体としての用途が注目され、1907年にドイツで初めて合成品もつくられ、合成ゼオライト(商品名パームチット)として市販され、主としてイオン交換体として用いられていた。しかしのちにはむしろ骨格構造の空孔(くうこう)の大きさを種々変えることにより、大きさに応じた分子を選択的に吸着する吸着剤として用いることの有用性が注目されるようになった。この種のゼオライトは「モレキュラーシーブ(分子ふるい)」とよばれ、たとえば、ゼオライトA(アメリカのリンデ社からリンデシーブ4Aとして市販)はNa12[Al12Si12O48]NaAlO229H2Oで、0.4ナノメートルの空孔をもち、N2,O2,CH4,H2O,NH3などの分子を選択的に中に取り込む。ゼオライトAのカルシウム塩であるゼオライト5AはCa4Na4[Al12Si12O48]で、0.5ナノメートルの空孔があり、C14までのn‐パラフィン、n‐オレフィン、n‐アルコールを吸着するが、側鎖のある有機分子は吸着しない。このほかテトラメチルアンモニウム塩としたゼオライトNA Na4{(CH3)4N}3[Al7Si17O48]21H2Oなどもあり、いろいろな大きさの空孔のものがつくられ、現在では工業的な規模で広く用いられてきている。また不均一系触媒反応に用いられる金属あるいは金属錯体の担体としても用いられる。[中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のゼオライトの言及

【触媒】より

… 液相均一触媒反応における水素イオンと同様の役割を,固体であって酸性を示す物質の表面が果たすことがあり,固体酸触媒と呼ばれる。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの混合ゲルにあたるシリカ‐アルミナや,両者が特徴ある結晶構造をとるため反応分子を固体内部にとり込むことのできるゼオライトは,その代表例である。カルボニウムイオン中間体の生成が反応進行上の鍵となる。…

【沸石】より

…低温加熱によって相当量の水分を放出するアルミノケイ酸塩鉱物の一群。ゼオライトともいう。化学成分はSiO2,Al2O3,アルカリ金属,アルカリ土類金属,さらにH2Oを含有し,立体網目状構造をもつ(テクトケイ酸塩に属する)。…

※「ゼオライト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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