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タリウム thallium

翻訳|thallium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

タリウム
thallium

元素記号 Tl ,原子番号 81,原子量 204.3833。周期表 13族に属する。 1861年イギリスの物理学者で,化学者の W.クルックスにより,ドイツのハルツ地方の硫酸工場の鉛室沈殿中から分光分析により発見された。スペクトル線が若葉を思わせる黄緑色であったことから,ギリシア語の若葉に相当するタロスにちなんで命名された。地殻存在量 0.5ppm,海水中の存在量は 0.001 μg/l 。単体は青白色の非常に軟らかい金属で,空気中では表面が酸化し,酸化膜は厚くなるので,石油中に保存することが多い。合金をつくりやすく,水銀とも容易にアマルガムをつくる。比重 11.85。 174℃で蒸発しはじめる。融点 303.5℃。原子価は1価,3価。低融点合金軸受合金などに利用されるほか,硫酸塩殺鼠剤殺虫剤として用いられる。

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百科事典マイペディアの解説

タリウム

元素記号はTl。原子番号81,原子量204.382〜204.385。融点303.5℃,沸点1473℃。元素の一つ。1861年クルックスらが分光分析法によって発見。
→関連項目核医学的検査

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世界大百科事典 第2版の解説

タリウム【thallium】

周期表元素記号=Tl 原子番号=81原子量=204.383地殻中の存在度=0.45ppm(61位)安定核種存在比 203Tl=29.50%,205Tl=70.50%融点=302.5℃ 沸点=1457℃比重=11.85(0℃)電子配置=[Xe]4f145d106s26p1おもな酸化数=I,III周期表第IIIB族に属する金属元素。1861年W.クルックスが硫酸工場の鉛室泥からスペクトル分析法により発見した。

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大辞林 第三版の解説

タリウム【thallium】

13 族(ホウ素)族元素の一。元素記号 Tl  原子番号81。原子量204.4。白色の金属。天然にはわずかしか存在しない。軸受け合金などに用い、硫酸塩は殺鼠・殺虫剤となり有害。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タリウム
たりうむ
thallium

周期表第13族に属し、アルミニウム族元素の一つ。1861年イギリスのクルックスが硫酸製造工場の鉛室残渣(ざんさ)から分光分析によって発見、そのスペクトルが美しい緑の輝線を示すことから、緑の小枝を意味するラテン語thallusにちなんで命名された。いくつかの鉱石があるが、銅、鉛、亜鉛などの硫化鉱の焙焼(ばいしょう)煙灰がおもな原料であって、水で抽出し、不純物を除いてから塩化タリウム()として沈殿させる。これを酸性溶液から亜鉛で還元すると金属が得られる。鉛に似た軟らかい白色金属。2種類の変態が知られているが、常温ではα(アルファ)型が安定、230℃に熱すると体心立方格子のβ(ベータ)型に転移する。空気中では酸化されるので、普通、石油の中に入れて保存する。ハロゲン化水素酸には溶けないが、通常の酸には溶ける。酸化数の化合物をつくるが、前者のほうが安定である。酸化数の化合物のように見える、たとえばTlCl2は実際はTlI[TlIIICl4]のような混合酸化数の化合物である。ハロゲン化物は銀塩と同じく水に不溶だが、水酸化物はアルカリ金属塩と同じく水に溶けて強アルカリとなる。硫化物は赤外光電池、炭酸塩はガラス添加物として使われ、臭化物、ヨウ化物は蛍光物質添加物、赤外線透過用の光学材料となる。ギ酸タリウムは放射線遮蔽(しゃへい)剤として用いられる。硫酸塩は殺鼠(さっそ)剤として使われたことがあるが、現在は使用を禁止している国が多い。タリウムおよびタリウム化合物は毒性が強く、蓄積性毒物である。[守永健一・中原勝儼]

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世界大百科事典内のタリウムの言及

【クルックス】より

…ロンドンにある王立化学大学を卒業後,有機化学者A.W.ホフマンの助手となったが,有機化学には興味がもてず1854年に辞し,56年から自宅の実験室を用いて化学コンサルタントとなり,59年からは《ケミカルニュース》の編集者にもなった。60年に発表されたR.W.ブンゼンとG.R.キルヒホフらによる分光分析に注目し,61年には新金属元素タリウムを発見し,この功績によりローヤル・ソサエティの会員に選ばれた。またタリウムの重量分析用真空てんびんを製作する中でラジオメーター(放射計)を発明し(1875),羽根の回転の原因を気体分子運動論より説明した。…

※「タリウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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