チチカカ湖(読み)チチカカコ(その他表記)Lago Titicaca

デジタル大辞泉 「チチカカ湖」の意味・読み・例文・類語

チチカカ‐こ【チチカカ湖】

Lago Titicacaアンデス山脈中部、ペルーボリビアとの国境にある湖。湖面標高が3812メートルで大湖としては世界最高。湖畔の主な都市はペルー側のプーノとボリビア側のグアキがあり、定期船で結ばれる。湖内のタキーレ島アマンタニ島太陽の島などには、先インカ期からインカ帝国時代にかけての遺跡がある。面積8562平方キロメートル。ティティカカ湖

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精選版 日本国語大辞典 「チチカカ湖」の意味・読み・例文・類語

チチカカ‐こ【チチカカ湖】

  1. ( チチカカはTiticaca ) 南アメリカ西部、ペルーとボリビアとの国境にある淡水湖。面積八三七二平方キロメートル。湖面標高三八一二メートルは可航水面としては世界最高。インカのティアワナコ文明の中心地帯で、湖中の島にはその遺跡が多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「チチカカ湖」の意味・わかりやすい解説

チチカカ[湖]
Lago Titicaca

南アメリカ,ペルー・ボリビア両国にまたがるアンデス山脈中の高原アルチプラノ上に位置する淡水湖で,第三紀末の地殻運動によって生じた。位置は南緯15°14′~16°35′,西経68°37′~70°02′。湖面標高は1918年から66年までの平均で3808.22m。面積は8171km2(高水時)。ただし湖面標高は季節によって,また年々変化し,その幅は最大で3~4mに達する。遠浅な湖岸平野が発達しているため,水位が1m変化すると湖の面積は約250km2も変わる。最大水深は281m。湖の東岸は北西から南東に延びる東アンデス山系(アポロバンバ山脈とレアル山脈)に限られ,比較的出入りのない湖岸線を示すが,南西岸は古い火山などの起伏がある湾入の多い湖岸線となっている。この地方のインディオの聖地コパカバーナに近いティキーナ湖峡(幅1km)で二つの部分に分けられ,南の小湖(ウィニャイマルカ。約1400km2)は水深が5m以浅である。この小湖からはデサグアデーロ川が南に流れ出している。この川は325kmほど下流でポーポ湖に注ぐ。ポーポ湖は出口のない内陸湖であるからチチカカ湖とそれに注ぐ河川の流域は内陸流域ということになる。月平均気温は,たとえば湖畔のプノでは5.7℃(7月)と10.7℃(1月)の間で季節変化するが,日較差の平均値は10℃(夏)~15℃(冬)に達する。年降水量は450~1000mm程度で,南ほど,また西ほど少ない。平均すれば600~700mm程度である。雨季は12月から3月の夏で,5~8月には雨はほとんど降らない。湿度が低いため,気温が低いわりには蒸発が盛んである。そのため,湖に流入する河川水や湖面への降雨水のうち,わずか2%ほどがデサグアデーロ川から流出するだけである。1l中には約780mgの溶存物質があるが,飲用や灌漑用には十分である。チチカカ湖の周辺は,それが大きな湖であるために気候が穏和で,ソラマメキノアジャガイモなどの栽培が可能である。また,平野も広いのでアンデス山地中最も農業人口の密度が高い。南岸には〈太陽の門〉で有名なプレ・インカのティアワナコ文化の遺跡がある。湖の中央部の半島にあるコパカバーナには聖地詣のために多数の人々が集まる。湖の周囲の人々は,インカ帝国時代の公用語であったケチュア語とは異なるアイマラ語を話している。遠浅の水辺にはトトラScirpus totoraという草が生えており,住民はこれで舟を作ったり,人が住むための島を作ったりしている。またトルッチャ(マス)も漁業の対象となっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チチカカ湖」の意味・わかりやすい解説

チチカカ湖
チチカカこ
Lago Titicaca

南アメリカ,アンデス山脈中部,アルティプラノ高原北部にある大湖で,ペルー,ボリビア両国にまたがって位置する。大型船が航行できる湖としては世界で最も高いところにあり,湖面標高 3812m。北西-南東方向に約 200kmにわたって延び,最大幅約 80km。周囲 1125km。面積 8372km2。ティキナ水道によって2つの部分に分けられ,北西の大きいほうはチュクイト湖,南東の小さいほうはウイニャイマルカ湖と呼ばれる。平均水深 107m,ボリビア側沿岸に向って次第に深くなり,最大水深は 281m。北端部に注ぐラミス川をはじめ 25以上の川が流入。南端部からデサグアデロ川が流出して約 300km南東にあるポーポ湖に注ぐが,同川による湖水の損失は5%にすぎず,大部分は蒸発によって失う。平均水温は表層部で 14℃,湖底で 11℃。湖中には約 40の島があり,多数の住民がいる島もある。最大の島はチチカカ島。この地域は古くからインディオの文明が発達した地で,南岸近くのティアワナコをはじめ沿岸各地や湖中の島に紀元前にさかのぼる遺跡があり,多数の考古学的資料が出土している。チチカカ島は「太陽の島」とも呼ばれ,インカ帝国の始祖伝説で知られる。現在この地域に住むアイマラ諸族は先インカ期以来の住民で,古くからの生活様式や言語を保ち,古来の農耕法でオオムギ,キノア (アカザの1種) ,ジャガイモなどを栽培。湖上では,湖岸近くに叢生するトトラと呼ばれるアシに似た草でつくった浮島に住んでいる民族もあり,トトラで造った草舟は漁業や湖上交通に広く用いられている。沿岸の主要港である北西岸のプノ (ペルー) と南端岸のグアキ (ボリビア) の間に定期航路が開かれている。近年ペルー側湖岸でボーキサイトの鉱床が発見された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チチカカ湖」の意味・わかりやすい解説

チチカカ湖
ちちかかこ

ティティカカ湖

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世界大百科事典(旧版)内のチチカカ湖の言及

【住居】より

…屋根はバナナやヤシの葉で葺く。
[南アメリカの水上住居]
 水上住居としてコロンビアのカリブ海岸の湖沼地帯の杭上住居と,ペルーのチチカカ湖の浮島住居がある。コロンビアのマグダレナ川の河口付近はラグーンになっており,この地域の住居は,ラグーンの浅い部分に杭を打ち,横板で土止めをした人工島の上につくられる。…

【フトイ(太藺∥莞)】より

…スリランカやインドネシアでは,オニフトイS.grossus (L.f.) Pallaの太く三稜形をしている茎を干して扁平とし,それと,赤や黄色等に美しく染色をしたものとを混ぜて民芸調の敷物を作っている。独特の利用法としては,南アメリカのアンデス山地標高3000~4000mのチチカカ湖周辺で,原住民のシマラ族はそこに生えるフトイの1種のトトラS.californicus Palla ssp.totora (Kunth) T.Koyamaの茎を多数束ねてカヌー式のボートを作ったり,彼らの住居の屋根や壁にしたりするほか,根茎も食用にしている。インカ帝国でもこの根茎が食用とされていたことが最近明らかにされた。…

※「チチカカ湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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