ノロウイルス(読み)のろういるす(英語表記)Norovirus

知恵蔵の解説

ノロウイルス

ウイルス性食中毒の1つ。主に生カキなどの魚介類などが原因となり、年間を通じて発症するが、冬季に多い。以前はSRSV(small round structured virus=小型球形ウイルス)と呼ばれていたが、名称が変わった。潜伏期は1〜2日で、乳児から成人まで幅広く感染する。一般に症状は軽症であり、予後も良い。しかし、高齢者などではまれに重症化し、死亡することもある。吐き気、嘔吐下痢のほか、腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛などの症状が出る。ウイルスは、症状が消失した後も3〜7日間ほど患者の便中に排出されるため、2次感染に注意が必要である。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ノロウイルス

主に冬季に流行し、手や食べ物についたウイルスが人の口に入ると感染する。二枚貝にも多く、十分に加熱して食べることが大切だ。全国3千の医療機関(主に小児科)だけで年間に100万人前後、ノロを中心にした感染性胃腸炎の患者が出ている。発症すると、下痢や嘔吐を繰り返し、頭痛などの症状が出る。1~2日程度で症状は無くなるが、乳幼児や高齢者は脱水症状などを起こして重症化、死亡することがある。直接ウイルスに効果がある薬などがないため、手洗いや塩素系消毒などの予防対策が有効だ。

(2012-12-24 朝日新聞 朝刊 1総合)

ノロウイルス

主に口を通じて感染。腸の中で増殖すると24~48時間後に発症し、下痢や嘔吐(おうと)などの胃腸炎を引き起こす。通常は1~2日で治るが、子どもや高齢者では重症化する場合もある。冬に流行することが多い。トイレやおむつ交換後の手洗いや食品の加熱などで、感染拡大を防げる。

(2016-12-06 朝日新聞 朝刊 宮城全県・1地方)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

デジタル大辞泉の解説

ノロウイルス(Norovirus)

感染性胃腸炎や食中毒の原因となるウイルスの一種。生ガキやハマグリなどの二枚貝を介して感染することが多く、感染者の糞便や嘔吐物から経口感染することもある。冬季に流行がみられる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

ノロウイルス【Norovirus】

食中毒や胃腸炎の原因となるウイルス。以前は小型球形ウイルス( SRSV )と呼ばれた。 〔生ガキを介する感染が多いが、糞便による経口感染も多数認められている〕

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ノロウイルス
のろういるす
norovirus

冬季に流行する感染性胃腸炎や食中毒の原因となる感染力の強い病原体。カリシウイルス科に分類される。1968年アメリカのオハイオ州ノーウォークで集団発生した急性胃腸炎患者から検出された小型球形ウイルスで、当初はノーウォークウイルスとよばれた。その後「ノロウイルス属」とよぶことが国際ウイルス学会で承認された。
 ノロウイルスに汚染されたカキなどの生貝をはじめとする食品から経口感染するほか、感染した患者の糞便(ふんべん)や吐瀉(としゃ)物を介して二次的に感染する。感染は冬季に多く、腸内で増殖し数日の潜伏期をおいて発症し下痢が1~2日ほど続くほか、嘔吐(おうと)や腹痛、発熱を伴う。一般的には感染後の経過は良好だが、乳幼児施設や高齢者施設などで集団感染することが多く、脱水症状から重症となって死亡する例もある。ノロウイルス感染症は近年増加傾向にあり、2006年や2012年には世界的な流行をみた。ウイルスは変異をくり返し、ヒトからヒトへ感染するよう変異することもあり、新型のウイルスに対する抗体をもたないために大流行することが多い。ノロウイルスに対するワクチンは、一部有効性が認められるものもあるがまだ開発途上にある。予防のためには病原体に触れることを避け、手首までを含めた十分な手洗いと、ウイルスを吸い込まないためのマスク着用やうがいを励行する。消毒にはアルコール系は効果がなく、塩素系漂白剤などを希釈して用いる。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ノンフィクション本大賞

全国の書店員が選出する「本屋大賞」の部門賞の一つで、日本語による優れたノンフィクション作品(海外作品の翻訳本は除く)に贈られる賞。正式名称は「Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞」。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

ノロウイルスの関連情報