ハウプトマン(英語表記)Hauptmann, Carl

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハウプトマン
Hauptmann, Carl

[生]1858.5.11. オーバーザルツブルン
[没]1921.2.4. シュライバーハウ
ドイツの小説家,劇作家。 G.ハウプトマンの兄。旅館主の息子に生れ,イェナ,チューリヒに自然科学と哲学を学ぶ。弟と同じように自然主義から出発し,印象主義,表現主義とめまぐるしく作風を変えた。小説『マチルデ』 Mathilde (1902),『ほほえむアインハルト』 Einhart der Lächler (07) ,『哀れなほうき職人』 Die armseligen Besenbinder (13) が主作品。

ハウプトマン
Hauptmann, Gerhart Johann Robert

[生]1862.11.15. オーバーザルツブルン
[没]1946.6.6. アグネーテンドルフ
ドイツの劇作家,小説家,詩人。 C.ハウプトマンの弟。ドイツを代表する劇作家の一人で,1912年ノーベル文学賞受賞。 A.ホルツと J.シュラーフの提唱する「徹底自然主義」の影響のもとに,1889年処女戯曲『日の出前』 Vor Sonnenaufgangを発表,一夜にして自然主義演劇の旗手となった。続いて『寂しき人々』 Einsame Menschen (1891) ,『織り工』 Die Weber (92),『海狸 (ビーバー) の毛皮』 Der Biberpelz (93) などによって劇壇に君臨,日本の自然主義文学にも大きな影響を与えた。しかし夢幻的な『ハンネレの昇天』 Hanneles Himmelfahrt (93) を境に,次第にロマン的象徴的な作風に変り,『沈鐘』 Die versunkene Glocke (96) ,『そしてピッパは踊る』 Und Pippa tanzt! (1906) ,『日没前』 Vor Sonnenuntergang (32) ,小説『キリスト狂エマヌエル・クウィント』 Der Narr in Christo Emanuel Quint (10) ,叙事詩『ティル・オイレンシュピーゲル』 Till Eulenspiegel (27) ,ギリシア悲劇をもとにした大作『アトレウス4部作』 Atriden-Tetralogie (41~48) などを残した。

ハウプトマン
Hauptman, Herbert A.

[生]1917.2.14. ニューヨーク,ニューヨーク
[没]2011.10.23. ニューヨーク,バッファロー
アメリカ合衆国の数学者,結晶学者。フルネーム Herbert Aaron Hauptman。1937年ニューヨーク・シティ・カレッジを卒業,1939年コロンビア大学で修士号を取得。第2次世界大戦後,海軍研究所に入り,1955年メリーランド大学で博士号を取得。1970年にニューヨーク州立大学の生物物理学の教授に就任した。海軍研究所でニューヨーク・シティ・カレッジの同級生ジェローム・カールとともに,結晶にあてた X線の回折写真を数学的に解析し,1949年に結晶の分子構造を決定する方法を確立。この手法によってビタミンやホルモンなどの分子構造が解明された。1985年,カールとともにノーベル化学賞を受賞した。

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百科事典マイペディアの解説

ハウプトマン

ドイツの劇作家。ブレスラウの美術学校,イェーナ大学に学んだがいずれも中退。ベルリンで自然主義運動に接触,A.ホルツらの〈徹底自然主義〉に影響され,《日の出前》を発表。これは,シレジアの成金一家と娘の自殺を描いたもので,1889年自由舞台による初演はドイツ近代劇に一時代を画した。《寂しき人びと》(1891年)に次いで,織工の暴動を扱った群集劇《はた織りたち》(1892年)で自然主義の頂点に立ち,喜劇《ビーバーの毛皮》を経て,新ロマン主義的傾向の《沈んだ鐘》(1896年)を書く。ほかに,歴史劇・擬古的韻文劇,小説《ソアーナの異教徒》など。1912年ノーベル文学賞。
→関連項目アントアーヌ近代劇登張竹風ブラームラインハルト

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世界大百科事典 第2版の解説

ハウプトマン【Gerhart Hauptmann】

1862‐1946
ドイツの劇作家,小説家。シュレジエンのオーバーザルツブルン(現,ポーランド領)に生まれ,実業学校,農業見習,美術学校をへて,イェーナ大学で自然科学,哲学,歴史を修めた。ベルリンで自然主義文学運動に接触,当時流行のH.イプセンや,A.ホルツ,J.シュラーフの〈徹底自然主義〉の影響が濃い戯曲《日の出前》(1889)を発表してセンセーションを興す。その後《平和祭》(1890),《寂しき人びと》(1891),代表作《はた織りたち》(1892)や喜劇《海狸の外套》(1893)を著し,ドイツ自然主義の中心的人物となる。

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大辞林 第三版の解説

ハウプトマン【Gerhart Hauptmann】

1862~1946) ドイツの劇作家・小説家。近代的自然主義演劇を確立し、のちロマン主義的傾向を強めた。戯曲「日の出前」「寂しき人々」「織工」「沈鐘」「海狸の毛皮」、小説「ソアナの異教徒」など。

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世界大百科事典内のハウプトマンの言及

【哀れなハインリヒ】より

…作品の原型となったラテン語の文献があったともいわれるが確かめられてはいない。1902年にG.ハウプトマンはこの作品を戯曲化した。【古賀 允洋】。…

【ドイツ演劇】より

…また真実の赤裸々な追求を自然科学的な方法によって求める自然主義の運動が,1889年,O.ブラームの自由舞台(自由劇場)の試みによって始まった。そのなかで登場したG.ハウプトマンは,一方で新ロマン主義的な傾向も示すようになる。ウィーンでは近代劇の運動が,心理的・象徴的・印象主義的な傾向をとり,A.シュニッツラーやH.vonホフマンスタールの劇作を生み出した。…

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