ハンマー(読み)はんまー(英語表記)hammer

翻訳|hammer

日本大百科全書(ニッポニカ)「ハンマー」の解説

ハンマー
はんまー
hammer

金属材料の熱間鍛造機の一種で、ドロップハンマーともいう。ラムとよばれる重い鉄槌(てっつい)に金型工具を取り付け、これの自由落下によって、金敷上に置かれた素材を打撃するのでこの名がある。打撃の際かなりの騒音・振動を生じる。ハンマーの容量は落下部の総重量で表し、数百キログラムから2トン程度までのものが多い。ラムを所定の高さに引き上げるのにチェーンを使うのがチェーンハンマー、ベルトを使うのがベルトハンマーである。硬質の長い厚板を二つの互いに逆方向に回転する摩擦ローラーの間に挟み、ローラーの回転によって板を引き上げる方式のものがボードハンマーである。ばねハンマーは、板ばねの反動を利用して、ラムに加速度をつけて打撃力を増すようにくふうした機械である。圧縮空気を利用して落下の加速度をつけるハンマーには、低圧(5~7気圧)で作動する空気ハンマーと、100気圧以上に及ぶ高圧空気(または窒素ガス)を用いるハンマーとがある。後者は1957年にアメリカで開発されダイナパックDynapakの名で知られており、ラムの落下速度が毎秒15~20メートルに及ぶ。高エネルギー高速度鍛造機の代表である。

[高橋裕男]

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精選版 日本国語大辞典「ハンマー」の解説

ハンマー

〘名〙 (hammer)
① 打ちこんだり打ちこわしたりするのに用いる大型のかなづち。
※艦底(1912)〈荒畑寒村〉二「ハンマアを揮って灼けた鋲を打ち込んで居る」
鍛造機械、建設土木機械などで打撃を与える部分。槌(つち)
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉三「大砲を鍛鎚する場に至る、此に五十噸の『ハマー』を仕掛たり」
③ 銃で、雷管を強く打って火薬を爆発させる装置。撃鉄。打金(うちがね)
※雷銃操法(1867‐69)〈福沢諭吉訳〉訳例「『ハムマル』と云ふ原語を〈略〉稽古場にては之を打金と唱へ」
④ ピアノなどの鍵盤楽器で弦などを打って音を出させる小槌。
⑤ ハンマー投げ競技用の鉄槌(てっつい)。鉄球に可動性の栓をさしこみ、これにピアノ線を結び、その末端に握りをつけたもの。
※雪の遠足(1929)〈志賀直哉〉「私は運動のハンマーのやうに小犬を振り廻し」

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デジタル大辞泉「ハンマー」の解説

ハンマー(hammer)

つち。大型の金槌かなづち
形や機能が1に似たもの。ピアノなどの鍵盤けんばん楽器の弦をたたく小槌や、銃の撃鉄など。
ハンマー投げに用いる、金属球のついた投擲とうてき用具。通例、全重量は男子用7.26キロ、女子用4キロ。
[類語](1金槌鉄槌とんかち玄能木槌掛け矢才槌

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世界大百科事典 第2版「ハンマー」の解説

ハンマー【hammer】

塑性加工では鍛造機のこと。木工や金工の金づちもハンマーというが,これはまた〈ふいご〉で加熱した火床で焼いた鉄塊を金床の上でたたく鍛冶屋道具でもある。人力で行われていた鍛造も,動力源水力蒸気空気圧などに変わり,仕事率も非常に大きくなった。このような装置で行われる加工は,主として自由鍛造や伸ばし鍛造といわれる類の鍛造である。人力という小さいエネルギー源で大きな加工を与えるのには,何十回も材料をたたいたのであるが,今日の蒸気ハンマーエアハンマーでも一打一打のエネルギーはそれほど大きくはない。

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