ハーグリーブズ(その他表記)James Hargreaves

精選版 日本国語大辞典 「ハーグリーブズ」の意味・読み・例文・類語

ハーグリーブズ

  1. ( James Hargreaves ジェームズ━ ) イギリス発明家多軸紡績機ジェニー紡績機)を発明。近代工業に一時期を画した。一七七八年没。

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改訂新版 世界大百科事典 「ハーグリーブズ」の意味・わかりやすい解説

ハーグリーブズ
James Hargreaves
生没年:1720?-78

イギリスの発明家。ランカシャーで織布工と大工とをかねていたが,1762年にキャリコプリント業者ピールRobert Peelの下請として梳綿(そめん)機械製造のために雇われたのが,発明家としての出発点となった。64年にジェニー紡績機械を発明したが,これは,従来の手紡ぎ工の熟練をそっくりそのまま基礎にした機械である。紡績引伸し,撚(よ)りかけの工程は段階的になされ,人間の手かげんで調整するものであった。製造販売されたのは67年であるが,失業をおそれる労働者にすぐ破壊される。ノッティンガムに移住し,本格的製造のため70年特許申請するが,特許取得以前に販売していたため無効とされた。しかし,この紡績機械は,多数の紡錘一人の労働で動かせることや,その製作が容易であるという利点,さらに家内工業という当時の労働組織の改変を必要としないため,70年代にはアークライトのウォーター・フレーム(水力紡績機)と並んで広く普及した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハーグリーブズ」の意味・わかりやすい解説

ハーグリーブズ
Hargreaves, James

[生]1721.1.8〈洗礼〉オズワルトウイスル
[没]1778.4.22. ノッティンガム
イギリスの発明家。Hargravesとも記す。一台で複数の糸を紡ぐ多軸紡績機,ジェニー紡績機を発明した。紡績機を考案した当時は,ランカスター州ブラックバーン付近のスタンヒルに住む,貧しく無学な紡織工であった。当初,梳毛機(→梳毛糸)を発明しようとして失敗。1764年頃,娘のジェニーが偶然倒した紡ぎ車の動きからヒントを得て複式手動紡績機を発明したとされる。ジェニー紡績機と名づけて試作品を売り出したが,失業を恐れる手紡工たちに押し入られ,機械を破壊され,1768年にノッティンガムに移住。そこでトマス・ジェームズを協力者に,ジェニー紡績機を使用して靴下やメリヤス類を製造する紡績工場を設立した。1770年に特許を取得した。(→産業革命

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百科事典マイペディア 「ハーグリーブズ」の意味・わかりやすい解説

ハーグリーブズ

英国の発明家。羊毛の梳整(そせい)機などを改良,1765年ごろ紡績能率を著しく高めたジェニー機を発明。1767年に製造販売するが,この機械の出現で失職を恐れた労働者に破壊されてしまった。しかし,複数の紡錘を一人で動かせる点や容易に製作できる点などからアークライト水力紡績機とともに普及した。
→関連項目クロンプトン産業革命ブラックバーン

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世界大百科事典(旧版)内のハーグリーブズの言及

【綿織物業】より

…ところが18世紀後半以後,イギリスで綿織物をつくるための種々の機械がつぎつぎと発明され,綿織物生産は飛躍的に増大するとともに,綿織物工業は産業革命の重要な担い手ともなった。すなわち1733年のJ.ケイの飛杼(とびひ)の発明に始まった織機の改良は,64年J.ハーグリーブズの数個の紡錘をもつ多軸紡績機の発明,68年のR.アークライトによる水力紡績機の発明,さらに85年E.カートライトの蒸気機関を利用した力織機まで続き,綿織物工業は産業革命期のイギリスにおいて飛躍的な発展をとげた。 その後,綿織物工業はイギリスから他のヨーロッパ諸国,そしてアメリカに普及し,とくに19世紀末あたりからはアメリカ南部の綿花地帯に盛んになっていった。…

※「ハーグリーブズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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