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ビシュヌ派 ビシュヌは Vaiṣṇavism

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ビシュヌ派
ビシュヌは
Vaiṣṇavism

ビシュヌを主神として崇拝するヒンドゥー教の一派。神から恩恵を得るために要求されることは,他心なく一切を神にゆだね尽す,人間的にしてかつ崇敬的な信愛 bhaktiを中心とする。文芸を通じて,ビシュヌ叙事詩の英雄クリシュナと一体化する,熱烈な信仰であるバクティの運動が起り,7世紀から 10世紀まで同運動の詩人たちは南インドの各地の寺院を遍歴してこの信仰心を賛歌の形で民衆の前に吐露した。

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世界大百科事典 第2版の解説

ビシュヌは【ビシュヌ派】

ヒンドゥー教の有力な一派で,ビシュヌ神,ないしそれと同体異名,あるいは化身とされる神を最高神として崇拝する。サンスクリットではバイシュナバVaiṣṇavaという。元来ビシュヌ神は,ベーダの宗教にあっては,数多くある太陽神の一つにすぎなかったが,やがて,各地の土着のさまざまな最高神(およびその神妃)との習合を重ね,ついには,シバ神と並んで,ヒンドゥー教最大の神へと転身していった。ビシュヌの最も顕著な特徴は化身である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ビシュヌ派
びしゅぬは
Vaiava

シバ派と勢力を二分するヒンドゥー教の一派で、最高神ビシュヌ神とその神妃、化身を崇拝する。とはいえ、現実には、単一のビシュヌ派というものはなく、おびただしい数の派があって、それが全体としてビシュヌ派とよばれているにすぎず、その歴史的経緯は非常に錯綜(さくそう)している。まず、もっとも古い派としてはバーガバタ派があげられる。この派は、古くは最高神をバガバッドとよんだが、やがて、バースデーバとも、クリシュナとも、ビシュヌともよぶようになった。元来ビシュヌ神とは関連がなかったが、しだいにビシュヌ派となっていった過程を、その複雑な名称が暗示している。この派の成立は紀元前5、4世紀とみられ、その教義は『バガバッド・ギーター』のなかに盛り込まれていると考えることができる。また、後代のプラーナ文献としては、『ビシュヌ・プラーナ』『バーガバタ・プラーナ』がこの派のものであるとされる。この派からさらに派生したものとしては、一見多元論とみられる独得の一元論を説いた南インドのカルナータカの出身のマドバ(1017―1137)を開祖とするマドバ派、ビシュヌスバーミン(13世紀)を開祖とするビシュヌスバーミン派、牧人クリシュナとその愛人ラーダー(ラーデイカー)の崇拝を、本質的不一不異論ベーダーンタ派の教義のうえに基礎づけたニンバールカ(14世紀?)を開祖とするニンバールカ派、南インドのアーンドラ地方出身で、純粋不二一元論を説き、北インドのクリシュナ神崇拝の聖地ブリンダーバンを本拠地にして活躍したバッラバ(1473―1531)を開祖とするバッラバ派、東インドでクリシュナ、ラーダー崇拝を広め、不可思議不一不異論を唱えたチャイタニヤを開祖とするチャイタニヤ派などがある。このバーガバタ派の流れに対して、重要な位置を占めるのがパンチャラートラ派である。この派はナーラーヤナを崇拝し、タントリズムを基調としていることを最大の特徴とし、おそらく7世紀ころから聖典を作成し始めたとみられている。バーガバタ派とその系統が化身ということを説くのに対し、この派では顕現(ビユーハ)ということを説く。パンチャラートラ派は、やがて、南インドのタミル地方で流行したシュリーバイシュナバ派に影響を与え、この派から、被限定者不二一元論を唱えたラーマーヌジャ(12世紀)を開祖とするラーマーヌジャ派が派生し、ここから出たラーマーナンダによって、北インドに、ラーマ派とも称せられるラーマーナンダ派などの各派が生じていった。[宮元啓一]

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世界大百科事典内のビシュヌ派の言及

【タントラ】より

…インド中世の,女性原理,〈性力〉を教義の中心とする諸宗派の聖典の総称。ふつうは,ビシュヌ派ではパンチャラートラ派のサンヒター,シバ派では聖典シバ派のアーガマおよび性力派のタントラなどを指す。最古のものは7世紀ころの成立とされる。…

【トゥルシー】より

…ヒンドゥー教,とくにビシュヌ派の人々が聖草とし崇拝の対象とする多年草。シソ科のメボウキの一種のカミメボウキOcimum tenuiflorum L.(=O.sanctum L.)で,英名sacred basil,holy basil。…

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